かかとが痛いのは痛風だから?予防のための食事について解説

ある日突然、かかとに激痛が!それはもしかすると、痛風かもしれません。
痛風は男性に多いといわれています。しかし、女性ホルモンの分泌が低下する閉経後の女性も気をつけなければいけない病気です。

前日まで痛みなどなかったのに、突然痛みに襲われるのは痛風の特徴。
そこで今回は、痛風の症状や予防のための食事について解説します。

かかとが痛い!もしかして痛風の症状?

ケガをしたわけでもないのに、ある日突然かかとが痛い…
このようなとき、男性なら痛風が思い浮かびそうですが、女性の場合はピンとこないかもしれません。
なぜなら、男性に多いといわれている病気だからです。
しかし、女性がかからない病気というわけではありません。

そして、足の親指が痛くなるイメージも強いかもしれませんね。
痛風は足の親指の付け根に起こりやすいですが、他には次のような部位にも症状が現れやすいです。

【痛風の症状が現れやすい部位】
・かかと
・足首
・足の甲
・ひざ
・手首
・ひじ

あちこちの関節が痛むのではなく、1カ所の関節に痛みが現れ、腫れて赤みも伴います。(たまに2カ所以上の関節に同時に痛風が起きることがあります。)
中には耳に痛風結節ができたり、尿路結石ができたりすることもあります。

痛風とはどんな病気?恐いの?

風が吹いても痛いといわれるほどの痛風。いったいどのような状態になっているのでしょうか。

痛風は尿酸が体内で結晶になり、関節に溜まって炎症を起こしている状態です。
痛風の症状は発作的に起こることから「痛風発作」と呼ばれ、強い痛みは2~3日程度続きます。7~10日ほどで徐々に痛みは治まりますが、治療せずに放置すると発作を繰り返してしまいます。
繰り返したとしてもそのうち治まるから…と放置してはいけません。結晶化した尿酸が腎臓に溜まることもあり、そうなると腎臓機能が低下し、さらに尿酸結晶が溜まりやすくなるという悪循環を招きます。

尿酸値が高い状態を放置していると、糖尿病や脂質異常症、高血圧を合併しやすいなどのリスクもあるため、気をつけなければいけません。

痛風の原因はなに?女性も増えているの?

痛風の原因は血液中の尿酸値が高いことです。
尿酸は、プリン体という物質が肝臓で分解されるときにつくられ、食べ物からも体内に入ります。
通常、尿酸はつくられても排泄され、体内の尿酸は一定量に保たれているものです。
ところが尿酸が多くつくられ過ぎたり、うまく排泄されなかったりすると血液中の尿酸の量が増えてしまいます。
すると体内で余った尿酸が結晶化し、そこに白血球が反応して赤みや腫れ、痛みが生じるのです。

このように、尿酸が原因となる痛風患者は9割が男性ともいわれています。
なぜ女性患者が少ないかというと、女性ホルモンが尿酸の排泄を促進するからです。
ところが閉経後は女性ホルモンの分泌が低下するので、女性は無縁という病気ではありません。さらに、過食やストレス、運動不足によって痛風発作が起こることもあるため、閉経前だから関係ないというものでもありません。

痛風を食事で予防しよう!

痛風の症状があるならまずは受診が必要ですが、セルフケアとして食生活も見直しましょう。
食べ過ぎに注意し、プリン体を多く含む食品を控えます。

尿の量が増えれば尿酸が身体の外へ出やすくなります。積極的にお茶や水などで水分を摂りましょう。

痛風にお酒はよくないと聞いたことはありませんか?
アルコール飲料にはプリン体量はあまり多く含まれませんが、アルコールの作用が加わって尿酸値が上昇します。
毎日お酒を飲む人は痛風のリスクが2倍ともいわれるほど。飲み過ぎには気をつけなければいけませんね。

まとめ

痛風は女性ホルモンが減少する閉経後の女性も気をつけたい病気です。
また、女性ホルモンの減少は骨にも影響を与えます。女性ホルモンは密かに骨を守っているからです。
食事で痛風を予防するのと同時に、骨のケアにも力を入れて元気に過ごしましょう!

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監修:大場 啓一郎(おおば けいいちろう)

医療法人社団若葉堂 大場内科クリニック 理事長・院長。医学博士。

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