血糖値とは?上がるしくみや正常値、身体への影響を解説

血圧やコレステロールなどと同様、「血糖値が高いのは良くない」ことは知っていても、実はそもそも血糖値とは何か、また、どんな働きをしていてなぜ上がるのかはあまり気にしたことがない方も多いのではないでしょうか。
血糖値は日々の食事や生活を意識して、上手に付き合っていくことが大事。
この記事では、血糖値についての基本的な解説と、実践したい食事や運動のポイントについて解説します。

血糖値とは?

血糖値とは、血液中のブドウ糖(グルコース)の濃度のこと。血液1㎗(デシリットル)の中に、ブドウ糖(グルコース)が何mg含まれるかを数値で表しています。ブドウ糖は、私たちが活動するためのエネルギー源として必要不可欠なものであり、特に脳にとっては唯一のエネルギー源でもあります。

食事をすると、食べたものが消化・吸収を経てブドウ糖となり、血液に入ってエネルギーになっていくのです。血液中のブドウ糖のことを「血糖」といい、濃度を数値としてあらわしているのが「血糖値」なのです。

血糖値が上がったり下がったりするしくみと原因

血糖値は、常に一定ではありません。健康な人であっても、空腹時と食後とでは異なり、上がったり下がったりといった変化を繰り返しています。

血糖値は食事をすると上がります。中でも、糖質の多いご飯やパン、芋類などの炭水化物を摂ると、血液中のブドウ糖が増えるので血糖値は急速に上がります。すると、すい臓から「インスリン」というホルモンが分泌されます。逆に空腹時などはブトウ糖が少なくなり、血糖値が下がるので、それを上げるためにすい臓から「グルカゴン」というホルモンが分泌されます。この2つのホルモンによって、過剰に上下しすぎることなくコントロールされているのです。

血糖値の正常値はどれくらい?

一般的に血糖値の正常値の目安は、空腹時で60~110㎎/dl、食後で100~140mg/dlといわれています。健康な人であれば、食後1時間で140mg/dl位まで上昇し、そこをピークにゆるやかに下がっていきます。ただし、食後高血糖の人や糖尿病などの疾患がある人は、食後の血糖値が200mg/dl近くまで一気に上昇したり、食後2~3時間経っても高いままであったりします。

血糖値は、高すぎても低すぎてもNG!

健康な人なら、血糖値が高い状態が少しくらい続いても、自覚症状はほとんどありません。ただそれが長期に渡ると、徐々に「のどが乾きやすくなる」「トイレの回数が増える」「倦怠感がある」といった症状が出てきます。このように日常的に血糖値が常に高い状態が続くと、血液が濃くなって粘度が高くなり、流れにくくなることから、脳卒中や心筋梗塞など血管に関わる病気のリスクが高まっていきます。

また、この血糖値が高い状態が続くと、糖尿病予備軍である可能性が高く、いずれ糖尿病が発症することもあります。さらに、視力の低下、腎臓の機能低下、神経障害といった合併症を引き起こすことも考えられます。

このように高血糖の身体への影響のほうが注目されがちですが、低すぎるのも問題。低すぎる状態は「低血糖」といい、倦怠感や震え、冷や汗と症状が出始めます。また、脳をはじめとした臓器がエネルギー不足となることで、めまいやけいれん、ひどいと意識を失ってしまうこともあります。

血糖値は高すぎても低すぎてもNGで、正常範囲内をキープするのがベストなのです。

上手に血糖値をコントロールすることが大切

血糖値が高くなる原因は様々で、遺伝的なものや病気によるものもありますが、その他にも食べすぎやストレス、運動不足といった、生活習慣が影響しているケースもあります。そこで、食後の血糖値の急上昇を防ぐポイントは以下の2つです。

①食事のポイント
・食べる順番:野菜やきのこ、海藻類などの食物繊維が豊富なものを初めに
・食べたい食材:血糖値の上昇スピードがゆるやかな‟GI値の低い食材”を選ぶ
例:肉や魚、乳製品などのなどのたんぱく質、食物繊維が豊富な野菜、玄米など

②運動のポイント
・タイミング:食後1時間くらいまでの、血糖値がピークに上がるタイミングで運動する
・実践したい運動:ウォーキングや早歩きの散歩などの有酸素運動、筋トレなどがおすすめ。日中の活動量を増やすことも有効

毎日、毎食、自分で血糖値を測るのはなかなか難しいこと。だからこそ、気づかないうちに血糖値の上昇で身体にダメージを与えてしまっている可能性もあります。コントロールするための食事や運動を取り入れて、見えない身体の中のケアも実践していきましょう。

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