成長期に始めるのがカギ!20歳までに丈夫な骨づくりをしておくべき理由

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⾻の成長にはたんぱく質が重要

成⻑期に背が伸びるのは、⾻が伸びるから。

そんな当たり前のことを今さら?と思われるかもしれませんが、骨が伸びる仕組みはご存知ない⽅も多いでしょう。

子どもの骨には、「骨端線(こったんせん)」と呼ばれる軟骨層があり、この部分の軟骨が増えることで骨が伸びていきます。軟骨は主にたんぱく質の一種であるコラーゲンからできているため、成長期にはカルシウムだけでなく、たんぱく質を十分に摂る必要があります。

また、食事から摂ったたんぱく質は胃や腸で消化されてアミノ酸になり、それらを材料にして、体内で必要なたんぱく質がつくられます。その際に大切な役割を果たすのがビタミンB群です。不足するとたんぱく質の合成がうまくいかなくなるため、成長期は特にしっかり摂ることが大切です。

成長期の骨づくりが一生の基礎になる

出典:総務省 平成25年「学校保健統計調査」

学校保健統計調査をみると、背が大きく伸びるのは、男子は高校入学、女子は中学入学くらいまで。
また、人生で骨量が最も多くなる時期は、男性は20歳、女性は18歳頃といわれています。一般に40代以降は加齢とともに骨量が減少するため、10代のうちにどれだけ骨量を増やすかが勝負。成長期の骨づくりが、将来の骨の健康を維持するカギになります。

⾻は⽇々⽣まれ変わっています!

実は、⾻は毎⽇少しずつ壊され、そこにまた新しい⾻がつくられています。これを「⾻のリモデリング」と呼び、お肌と同じように、⾻も新陳代謝しています。そして、成⻑期は⾻を壊す⼒より、つくる⼒のほうが強いため、⾻が⼤きくなり、背も伸びていくのです。

骨はカルシウムが塊になっているだけではなく、⾻の中にはたくさんの細胞が存在し、それらに栄養を届けるための細い⾎管が張り巡らされています。⾻折しても元に戻るのは、⾻の中の細胞たちが働いて、⾻が⽇々⽣まれ変わっているからです。

⾻の⽣まれ変わりを担っているのが、⾻を壊す「破⾻細胞」と⾻をつくる「⾻芽細胞」です。
破⾻細胞は酸や酵素を分泌して、古い⾻のカルシウムやコラーゲンを溶かして壊します。古い骨が壊されると、骨芽細胞が寄ってきてコラーゲンを分泌。そこへ血液に乗って運ばれてきたカルシウムがくっつき、新しい骨がつくられていくのです。

つまり、骨はコラーゲンにカルシウムなどのミネラルが付着し、⽯灰化したもの。
子どもの骨も、骨端でコラーゲンが増えるだけでは丈夫になりません。しかし、肝心のカルシウムは食事から摂った分がすべて吸収されるわけではなく、せっかく吸収されたカルシウムも骨にくっつかなければ、尿と一緒に排出されてしまいます。

⾻にカルシウムを付きやすくする「MBP」

初めて聞く方も多いかもしれませんが、「MBP」とは、破⾻細胞と⾻芽細胞の両⽅にアプローチして、丈夫な⾻づくりを助ける成分です。⽜乳にほんの少し含まれる希少なたんぱく質で、破⾻細胞の働きを抑え、⾻芽細胞を活性化する機能があります。

「MBP」が作⽤すると、⾻からカルシウムが溶け出しにくくなり、⾻にカルシウムがくっつきやすくなります。成長期はカルシウムの吸収率も高くなるため、できるだけ骨に取り込んで骨量を増やしたいものですね。

動物実験において「MBP」の有用性が確認されています

「MBP」は、成⻑期マウスの試験で有⽤性が認められています。

(成⻑因⼦1)IGF-1
「MBP」は破⾻細胞と⾻芽細胞に働きかけるだけでなく、IGF-1(⾻形成促進たんぱく質)の分泌を促すことで、成⻑期マウスの⾻量を増加させることが⽰唆されました。
出典:Ono-Ohmachi A, et al./J Nutr Sci Vitaminol (2017)

(成⻑因⼦2)グレリン
成⻑期マウス(6 週齢)に、1%「MBP」溶液を3 週間⾃由に飲ませると、⾻密度が増加するとともに、胃から分泌されるグレリン(⾻形成促進ペプチド)の⾎中濃度が増加しました。
また、ラットから摘出した胃組織と、マウスの初代培養胃細胞に「MBP」を添加すると、グレリンの分泌が促進されました。このことから、「MBP」はグレリンの分泌を促し、⾻代謝を改善することが ⽰唆されました。
出典:Ishida Y, et al./Nutrition (2017)

▼動画で解説

医療法人幸鷺会 森整形外科リハビリクリニック 院長 。 公益社団法人日本整形外科学会 整形外科専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
管理栄養士・食育インストラクター 2000年からライター・編集者としてメディア制作に従事。業務を通じて食と健康に興味を持ち、2017年に管理栄養士資格を取得。現在は人間栄養学に基づいた健康記事の執筆活動を中心に、健康相談業務にも携わる。

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