子どもは走り回ったり激しい動きをしたり、元気に遊びますね。
楽しく過ごしてくれるのは嬉しいですが、子どものいる家庭にとって「骨折」は心配なケガのひとつではないでしょうか。
骨折すると子どもが痛い思いをするだけでなく、日常生活も不自由になるため、できれば防ぎたいもの。
今回は、子どもの骨折の特徴や対処法、予防法を解説します。
子どもが骨折したかも!どうしたら良い?
子どもの骨折の原因は、転倒や転落がほとんど。
歩けるから大丈夫、手を使っているから大丈夫、関節が動いているから大丈夫などと自己判断で安心してはいけません。
次のような症状がある場合や、疑わしい場合にはできるだけ安静を保って病院へ向かいましょう。
【注意したい症状】
・内出血がある
・ひどい腫れがある
・力が入らない
・向きがおかしい
子どもの骨折で多い部位と種類は?
子どもの骨折では、前腕や肘関節の周囲など上肢が約半数を占めています。
これは、転んだりしたときに手をつくことが多いからでしょう。
大人の硬い骨とは違い、子どもの骨は柔らかくしなやか。
そのため、ポキっと折れるのではなく草木が曲がるように不完全な折れ方をすることが多いです。このような骨折を若木骨折といい、弾力性がある子どもの骨にだけみられます。
他に、骨が部分的に押しつぶされ、骨折した部分が竹の節のように隆起する隆起骨折や、成長軟骨である骨端線部分を骨折する骨端線骨折も子どもに多くみられます。
子どもが骨折したら何日で治る?
受診すると、視診や触診、レントゲン撮影などによって診断がつけられます。
受傷直後にははっきりと映らず、2~3週間後のレントゲン撮影で骨折が明らかになることもあります。
関節周囲以外の骨折で転位(ずれ)がそれほど大きくない場合には、ギプスなどで固定する保存療法となることが多いです。これは、成長に伴う自家矯正が期待できるからです。
自家矯正とは、骨が曲がり変形してくっついてしまっても、自分でまっすぐになろうとする力です。ある程度の変形ならば成長とともにまっすぐに戻っていきます。成長期は骨が癒合しやすいため、骨折部は1~2ヶ月で癒合することが多いです。
成長期の子どもの骨だけにある骨端線(骨が成長して伸びていく部分)では自家矯正が起こらないため、大きくずれた場合には、手術でずれを直しておく必要がある場合もあります。主治医の判断に従いましょう。
子どもの骨折を予防したい!どうすれば良い?
子どもの骨折は45年前と比べると増えています。その要因は、食生活や生活環境の変化といわれています。
子どもが痛い思いをしなくて済むよう、強い骨を育ててあげたいですね。
子ども時代は骨の基礎をつくる大切な時期。男性は20歳、女性は18歳ごろが人生で最も骨量が多くなります。このピーク時に骨量を高めておくことが、将来の骨の健康を維持するベースとなります。
今だけでなく、将来の健康のためにも、骨密度を高める3つのポイントをおさえておきましょう。
【食事】
強い骨を育てるには、骨の材料となるカルシウムやビタミンD、ビタミンKがしっかりと摂れるバランスのよい食事が大切です。
【睡眠】
寝ている間に多く分泌される成長ホルモンには、骨を強く成長させる役目があります。それだけでなく免疫力を高める働きもあるため、健康のために睡眠はとても大切です。
【運動】
運動は成長ホルモンの分泌を促し、食欲の増進にも繋がります。栄養のある食事を摂りやすくなり、運動による適度な疲労が良質な睡眠へと繋がります。
また、骨は縦方向に負荷がかかると強くなる性質があるため、走ったりジャンプしたりする運動がおすすめです。
まとめ
子どもが骨折したかも…という場面があっても、「激しく痛がっていないから大丈夫」と油断してしまうこともあるでしょう。
しかし、子どもの骨は柔らかくしなやかなため、不完全な折れ方をすることもあります。疑わしいときは受診しましょう。
日頃から骨密度を高める3つのポイントを意識し、今だけでなく、将来の健康にも役立てたいですね。