「うちの子、どこまで背が伸びるかな…」と考えたことはありませんか?
子どもの身長は基本的に両親から遺伝しますが、骨の成長には食事や睡眠も影響します。
特に「寝る時間」は重要で、睡眠中に分泌される成長ホルモンが身長を伸ばすカギ。
この記事では、子どもの伸びる力を引き出す睡眠習慣について解説します。
骨は寝ている間につくられる
「寝る子は育つ」といわれますが、「身長が伸びる=骨が伸びる」過程は、夜寝ている間に進みやすいことが分かっています。これは、子どもの発育を促す「成長ホルモン」の分泌が、睡眠中に盛んになるからです。
成長ホルモンは、骨の両端にある「骨端線(こったんせん)」という軟骨部分に働きかけて、骨の長さを伸ばします。骨端線は成長期を過ぎると消失するため、子どもの身長を伸ばしたい場合は、成長期に理想的な睡眠習慣を身につけることが重要です。
成長ホルモンを味方につけよう!
成長ホルモンの分泌量は、眠りの深さと関係しています。夜間の睡眠にはリズムがあり、深い眠りと浅い眠りが繰り返されていますが、成長ホルモンは眠り始めて1~2時間以内に訪れる深い眠りのときに、最も多く分泌されます。
つまり、成長ホルモンを味方につけるなら、「何時に寝るか」よりも「良質な深い眠りをどれだけ得られるか」がポイント。
ただし、夜更かしや不規則な生活を続けると、体内時計が乱れ、睡眠の質が低下します。眠りが浅いと成長ホルモンの分泌が減ってしまうため、子どもの就寝時間には注意が必要です。
睡眠の質や長さが子どもの骨の成長に影響するという研究報告もあります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、小学生は9~12時間、中学・高校生は8~10時間の睡眠時間を確保することが推奨されています。
朝7時頃に起きるとしたら、夜9時に寝るのが理想です。健やかな骨を育てるためにも、早寝早起きを習慣にすると良いでしょう。
「ぐっすり眠れる子」を育てる3つの工夫

では、どうすれば早く、ぐっすり眠れるようになるのでしょうか。ポイントは次の3つです。
(1)寝る前のルーティンを決める
「歯磨き→読書→消灯」など、毎晩同じ流れを繰り返すことで、脳と身体が「そろそろ寝る時間だ」と認識し、スムーズに眠れるようになります。
(2)夕食・入浴は、寝る2時間前までに
食事をしたりお風呂に入ったりすると、体温が上がり胃の働きが活発になります。人は体温が下がるときに眠くなるため、寝る直前の食事や入浴は入眠の妨げになります。夜9時に寝るなら夕食は午後6時頃、お風呂は午後7時までに済ませましょう。
(3)夜は明るい光を遠ざける
眠りを促す「メラトニン」というホルモンは、暗い環境で分泌されます。寝室はなるべく暗くして、テレビやスマホは早めに切り上げましょう。
睡眠だけじゃない!骨の未来をつくる栄養サポート

ぐっすり眠って成長ホルモンが十分に分泌されても、骨の材料となる栄養が足りなければ十分に効果が発揮されません。
成長期はカルシウムとたんぱく質の必要量が増えるため、牛乳や乳製品、魚介類、大豆などを意識して摂ることが大切です。
さらに近年は、「MBP」という機能性たんぱく質も注目されています。「MBP」は骨をつくる「骨芽細胞」を活性化し、骨を壊す「破骨細胞」の働きを抑える作用が期待されている成分です。
「MBP」は骨の細胞に働きかけることで、骨の生まれ変わりを助け、骨密度を高める効果が報告されています。成長期においても、健やかな骨の発達を支える成分として期待されています。
骨密度は20歳前後で最大になり、そのピークが高いほど将来の骨粗しょう症や骨折リスクが低くなります。つまり、成長期は骨の一生を左右する大切な時期。睡眠と栄養の両輪で、骨づくりの黄金期を支えましょう。





