子どもは生まれたときから体格に個人差があるのは当たり前。身長に関係なく健康に育ってくれればそれでよいのですが、学校で本人が背の低さを気にし始めるなどしたら親としてどんなことに気をつけたらよいでしょうか?
背の高さは遺伝だけでは決まらない
背の高さは遺伝が大きく関わっていることは事実です。親の身長で子どもの身長はある程度決まることが多いといわれています。しかし、遺伝以外にも身長に影響を与える外的要因はあります。
そもそも身長が伸びるとは、骨が伸びること。骨の両端にある「骨端線」という軟骨が、成長ホルモンなどの働きにより増えることによって骨が伸びます。この骨端線は成長期には柔らかいのですが、大人になると固くなるため骨が伸びなくなります。
①背を伸ばすための食事
外的要因のひとつが食事です。まずは、身体をつくっていくための骨を伸ばす十分な栄養がなければ背は伸びることが難しくなってしまいます。そのためには、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルが揃った栄養バランスの良い食事が基本です。
特に骨と筋肉は成長に伴って増加するため、骨をつくるために欠かせないカルシウムや筋肉の元となるたんぱく質などをしっかり摂ることを意識しましょう。
カルシウムは一度にたくさん吸収することができないため、乳製品、緑黄色野菜、小魚など様々なカルシウム豊富な食材を、食事やおやつなどに分けて摂るように心がけるとよいでしょう。特に牛乳や乳製品はカルシウムの吸収が良く、準備に手間がかからないものも多いため、おすすめです。
また骨を形成するために必要なビタミンDとビタミンKも摂取するよう意識してみましょう。ビタミンDはきのこ類や鮭などにも含まれていますが、日光にあたることで体内でつくることもできます。
たんぱく質は肉や魚以外にも、大豆、乳製品、卵などでも補うことができます。食事からだけでなく、おやつをチーズやヨーグルト、ソーセージに変えることでも摂ることができます。
②背を伸ばすために効果的な運動
骨は適度な負荷がかかることが刺激となり、強度を高めることができます。まずは、本人が楽しんで続けられるスポーツを見つけてあげるとよいでしょう。ただし、水泳は筋力や心肺の強化にはたいへん良い運動ですが、骨への負荷が少ない運動です。水泳だけでなく、何か骨に刺激を与える運動も加えるとよいでしょう。
あまり運動が得意でないなら、ウォーキングなどの強度の低い運動でも効果があります。激しい運動にこだわらず、その子に合ったスポーツを選んでみましょう。
③「寝る子は育つ」は本当
睡眠時に分泌される成長ホルモンは骨の成長にも大きな影響を与えると考えられています。また、成長ホルモンは寝入った直後の深い眠りの時間帯に分泌のピークがあるといわれているため、質の良い睡眠を十分にとることは背を伸ばすことに非常に効果的です。
牛乳に含まれているトリプトファンというアミノ酸は、入眠をよくする効果もあるといわれているため、寝つきが悪い子どもにはホットミルクなどを寝る前に飲ませてみてはいかがでしょうか
また、寝る前にスマートフォンやテレビを見て、目から光を多く取り入れると睡眠の質を低下させてしまいます。寝る前には見ないようにしましょう。