1日何食がよい?過食と栄養不足、そして骨の健康は大丈夫?

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著名人やアスリートの食生活をみると、1日の食事回数などで特別な内容が紹介されることもありますが、実際は1日に何食が良いのでしょうか?
食事回数とともに栄養不足、特に骨に関する栄養不足に注意が必要となります。

1日何食が良いの?食事回数に関する様々な研究

1日に何食が健康に良いのかという食事回数に関する研究は古くからあります。約50年前の時点で、少量の食事を1日数回に分けてとることで体重や代謝量、代謝機能が改善すると研究されていました。その後も様々な調査や研究が行われてきました。

日本人にとってもっとも一般的なのは1日3食です。とある研究では、1日3食を規則正しく食べるというのが40歳以上の成人にとって健康的であるという結果がでました。その研究では、食事が1日1回のみの場合、死亡するリスクが1.3倍に、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患による死亡リスクが1.8倍に上昇するというのです。

一方で、アメリカで行われたとある研究では、1日3食と1日1食を比較すると、1日1食の方が、体脂肪量がより減少したという結果のものもありました。また、1日5食以上の場合、過体重または肥満になる可能性が約1.5倍大きくなると報告している研究もあります。

気をつけたいのは過食と栄養不足

諸説ある1日の食事回数ですが、いずれにしても1回の食事量が大量になってしまうのは基本的にNGといえそうです。

また、特に食事回数が少ない場合に注意したいのは栄養不足です。食事から栄養素をしっかりととるためには、食事メニューの主食とともに、主菜と副菜を組み合わせることが大切です。実際に、「主食、主菜、副菜を組み合わせた食事」をとる回数が少ない人では、エネルギーやたんぱく質、ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄、ビタミンB、ビタミンCの摂取量が少なくなるとされています。
また、主食、主菜、副菜を組み合わせた食事回数が1日1回未満の人は、2回以上の人に比べて、カルシウム、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンCが不足しがちなことも分かっています。

「栄養3・3運動」って?

「栄養3・3運動」をご存知でしょうか?栄養3・3運動とは、健康的であるための基本的な食生活のあり方の考え方です。
「3・3」とは「3食・3色」を意味していて、毎日、朝・昼・夕の3食と、「3色食品群」のそろった食事をとるよう勧めています。
3色食品群とは、栄養素の働き別に食品を「赤色・黄色・緑色」の3つに分類したものです。
赤色は、肉や魚、卵、大豆、牛乳など「血や肉をつくる食品」、黄色はご飯やパン、芋、砂糖、油など「働く力になる食品」、緑色は「野菜や海藻、果物など「身体の調子を整える食品」となります。

朝食の役割は?間食はダメ?

朝食が大切とよくいわれますが、それはなぜでしょうか。
私たちは寝ている間にもエネルギーを消費しており、3色食品群でいう黄色の「働く力になる食品」の栄養素が、起床時には十分でない状態になっています。朝食を食べないと、特に脳のエネルギーが足りずに午前中に頭がボンヤリしてしまいがちです。朝食は一日を活動的にいきいきと過ごすための大事なスイッチとして積極的にとることが推奨されています。
また、エネルギーや栄養を補い、前後の食事が過食になることを抑えるという意味で、間食が効果的なこともあります。ただし、多くのスナック菓子のように栄養素が少なく高カロリーな間食ではなく、栄養素が豊富な間食であることが大切です。

栄養不足による骨への影響と改善ポイント

日々の食事で栄養が不足するとどうなってしまうのでしょうか?
栄養不足による代表的な病気のひとつは「骨粗しょう症」です。骨粗しょう症では骨がもろく弱くなりますが、痛みや辛さがほとんどなく自覚することができないため、注意が必要なのです。

骨を強くする栄養素の代表はカルシウムです。また、カルシウムは体内で吸収されにくいため、他の栄養素と組み合わせることも重要です。ビタミンDはカルシウムやビタミンKは、カルシウムの吸収を助け、カルシウムが身体の外に排出されるのを防ぎますので、カルシウムと一緒に積極的に摂ると良いでしょう。

栄養3・3運動の観点でみると、カルシウムは赤色、ビタミンDやビタミンKは緑色に該当します。これに主食の黄色を組み合わせた食事が骨を強くするメニューといえますね。

まとめ

1日に何食が健康に良いのかについてはいくつも研究されていますが、一般的な1日3食についてはバランスがとれる栄養3・3運動という考え方があります。1日の食事回数を考える上で大切なのは過食や栄養不足にならないこと。特に骨粗しょう症に備え、カルシウムを中心とした食事を積み重ねていきたいものですね。

医療系広告代理店勤務を経て、某医療雑誌の編集長。専門医向けの国際学会の記事から一般向けの病気解説まで幅広く対応。その傍ら、クリニックのHPのリニューアルにも従事し、最近ではメダリストのインタビューや自動ドア関連コンテンツなど医療以外の分野も様々手がける。

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