
腸内環境は骨の健康とも深い関係があり、食生活に大きく影響されるため、何を食べれば良いか知りたい方も多いでしょう。
結論からいえば、これさえ食べれば良いというものはありませんが、意識して摂りたい成分を踏まえ、腸と骨に良いおすすめの食材やメニューをご紹介します。
腸内環境と骨の関係についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
腸内環境の改善に役立つ成分は?

腸内環境とは、腸内に生息する細菌のバランスのこと。善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすことが「腸活」の目的です。そのために摂りたい食品成分が4つあります。
1.乳酸菌・ビフィズス菌
乳酸菌とビフィズス菌は、腸内の善玉菌の代表選手です。ヨーグルトやぬか漬けなどの発酵食品に含まれるため、食品成分でもあります。食品に含まれる善玉菌の多くは、消化液の影響で腸に届くまでに死んでしまいますが、死菌にも腸内環境を整える働きがあるとされています。
また、乳酸菌の中には「ガセリ菌SP株」のように生きたまま腸に届く種類もあります。「ガセリ菌SP株」は腸内環境の改善だけでなく、肥満気味の方の内臓脂肪を減らす効果が期待できるので特におすすめです。
2.食物繊維(水溶性・不溶性)
食物繊維は、水溶性と不溶性の大きく2種類に分けられ、少し働きが違います。水溶性食物繊維は善玉菌のエサとなるため、善玉菌を増やす成分として重要です。不溶性食物繊維は便のカサを増やすことで、お通じを良くする役割があります。
3.オリゴ糖
オリゴ糖は、糖が2~10個程度結合した成分の総称です。小腸で吸収されずに大腸に届き、善玉菌のエサになります。
4.オメガ9脂肪酸・オメガ3脂肪酸
脂肪酸は油の主成分です。オメガ9脂肪酸はオリーブオイルに多く含まれ、大腸の潤滑油として働きます。オメガ3脂肪酸はエゴマ油やアマニ油、魚油に含まれ、善玉菌のエサになることで腸内環境を整えてくれます。
腸内環境についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
毎日摂りたい腸活食材10選

腸内環境を整える成分を含む、おすすめの食材をピックアップ。よく食べるものにプラスしたり、置き換えたりできないか考えてみましょう。
1.ヨーグルト・チーズ
ヨーグルトやチーズなどの発酵した乳製品には、乳酸菌やビフィズス菌が含まれているだけでなく、日本人が不足しがちで、骨のケアにも役立つカルシウムも豊富。朝食やおやつとして手軽に食べられるのでイチオシです。
2.納豆
納豆には善玉菌のひとつである納豆菌が含まれています。大豆に含まれる食物繊維やカルシウム、ビタミンKも摂れるため、腸活だけでなく、骨活(ほねかつ)にも役立つでしょう。
3.果物(バナナ・キウイフルーツ・リンゴなど)
熟した果物には善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維が含まれており、ヨーグルトと一緒に摂ると相乗効果が期待できます。
4.きのこ類
きのこ類は不溶性食物繊維とビタミンDの供給源となります。ビタミンDは腸からのカルシウム吸収を助け、骨を強くするために必要な栄養素で、数時間天日に干すと、きのこの中で増加します。
5.海藻類
ヌルヌル・ネバネバした海藻類は、水溶性食物繊維が豊富。味付きのメカブやモズクを献立に一品プラスしたり、汁物に乾燥ワカメを加えてみてはいかがでしょうか。
6.玄米・オートミール
主食の穀類は食べる量が多いため、食物繊維の供給源として重要です。白米を玄米にすると食物繊維は約4.7倍に。オートミールは少しクセがありますが、水溶性食物繊維が多いので、工夫して取り入れてみましょう。
7.玉ねぎ・ゴボウ
玉ねぎもゴボウも、オリゴ糖が多い野菜です。いろいろな料理に使えるので、どちらかは毎日食べるようにすると良いでしょう。
8.きなこ
きなこは焙煎した大豆を粉にしたもので、オリゴ糖、食物繊維、カルシウムが多く含まれています。ヨーグルトや牛乳に混ぜたり、トーストにふりかけたりすると、取り入れやすいです。
9.オリーブオイル
オリーブオイルはオメガ9脂肪酸を多く含み、便の滑りを良くしてくれます。油はカロリーが高いため、料理で使うサラダ油やごま油の代わりに使うのがおすすめです。
10.青魚
鯖、イワシ、アジなどの青魚は、オメガ3脂肪酸やビタミンD、カルシウムが豊富。しらす干しや鯖缶などの加工食品なら調理も簡単です。
骨にも良い腸活メニューを朝食の定番に!
腸内環境を改善するために朝食は必須。朝ごはんを食べることで腸が目覚め、便通が促進されます。しかも、朝食は毎日同じでも意外と飽きないため、腸活と骨活を同時にできるメニューを定番にしてはいかがでしょうか。
◎フルーツヨーグルト
ヨーグルトは腸活&骨活の最強食材です。カットしたフルーツ(バナナ、リンゴ、キウイフルーツなど)を混ぜるだけでも良いですが、オリーブオイルをかけると、便がスルッと出やすくなるでしょう。
◎きなこトースト
トーストにバターを塗り、きなこと蜂蜜をかけるだけ。蜂蜜はオリゴ糖が含まれるため、砂糖の代わりに使うと良いでしょう。食パンは食物繊維が多い全粒粉パンがおすすめです。
◎納豆キムチ丼
和食派の方は、玄米ごはんに納豆とキムチをのせて丼に。卵とネギをトッピングし、オリーブオイルをかけると、一品で栄養満点の朝ごはんになります。
◎オートミールのチーズリゾット
オートミールは牛乳で煮て、リゾットにすると食べやすいでしょう。玉ねぎやきのこ類をオリーブオイルで炒めてから、牛乳、コンソメスープの素を加えて5分ほど煮ます。火を止めてからピザ用チーズと塩コショウを加えて混ぜ、チーズが溶けたら完成です。
まとめ
「腸活」「骨活」というと特別なことのように聞こえますが、意識して摂りたい成分は主に4つ。おすすめ食材も手軽に食べられるものが多いので、軽い気持ちで始められ、続けやすいのではないでしょうか。