
「乳製品はカルシウムが多く、骨の健康にいい」というイメージがあると思いますが、特に優秀な食材のひとつがヨーグルトです。そこで今回は、ヨーグルトならではの栄養やプラスの効果、骨密度への影響、骨密度と腸との関係について解説します。
骨密度アップに必要なこととは?

骨の強さを表す指標のひとつである、骨密度。20歳頃をピークに40歳頃までキープされ、それ以降は加齢とともに自然に低下していきます。特に女性は更年期を迎える頃に急激に減ってしまいます。そのため、できるだけ最大骨量(最も骨の量が多い状態)を高めておくことが重要です。
骨密度を高めるには、まず骨にいい栄養を摂ることです。なかでも、骨の主要な成分となるのが言わずと知れたカルシウム。「カルシウムが骨には大切」だと知られているにも関わらず、常に不足しがちな栄養素で、多くの日本人は足りていません。そのカルシウムの吸収を助けるビタミンD、カルシウムが骨へ沈着するのを促すビタミンKも必要になります。
さらに骨は短期間で増やせるものではないため、継続的な栄養の摂取と骨を丈夫にするための習慣が欠かせないのです。
知っておきたい!ヨーグルトの効果

そんなカルシウムを豊富に含む食品といえば乳製品で、その中でもヨーグルトは骨にとってメリットだらけの食材です。
まず、牛乳に比べてカルシウムの吸収率が高いという点。そもそも、カルシウムはたんぱく質や炭水化物と比べると、消化・吸収されにくい栄養素です。カルシウムを含む食品の中では、乳製品は吸収率が高めですが、特にヨーグルトは牛乳と違って発酵しており、乳糖が分解されているので、より消化吸収されやすくなっています。また、牛乳だとお腹の調子が悪くなる「乳糖不耐症」の人でも、ヨーグルトなら食べられる場合もあります。
また、ヨーグルトには身体づくりや気になる症状の改善や目的により特化した種類がたくさんあります。例えば、腸内環境を整えて便通を整えるもの、免疫アップを目指せるものなどです。何より、味や食感、他の食材との組み合わせも豊富で、そのままでももちろん、お菓子や食事に使いやすく取り入れやすいところも大きなメリットであるといえるでしょう。
骨密度アップには腸内環境も関係している!
ヨーグルトは、腸内環境を整えてくれるものというイメージがもっとも強いのではないでしょうか。実は、その腸内環境は骨の形成に重要な役割を果たしています。
ビタミンKは、カルシウムが骨に沈着するのを助ける作用があり、腸内細菌で作られるといわれています。そのため、腸内環境が悪くなるとビタミンKが作られず骨への働きも悪くなってしまうのです。逆に腸内環境が良くなればビタミンKの合成が活発になり、摂取したカルシウムの吸収を助けてくれるため、丈夫な骨の形成につながります。
また腸内環境は、ホルモンバランスにも大きな影響を与えています。幸せホルモンといわれるセロトニン、ストレスホルモンといわれるコルチゾールなど、さまざまなホルモンに深く関わりがあります。特に骨密度を維持するために必要な女性ホルモン「エストロゲン」も、腸内環境がいいと代謝や働きがよくなるといわれているのです。
ヨーグルトで腸活&骨密度アップ
一見すると関係がなさそうな腸内環境と骨ですが、密接に関わっています。腸内環境がよくなれば腸の働きがよくなって消化吸収力が高まり、摂取した栄養を効率的に体に摂り込むことができます。そのため、腸活はダイエットや美容だけでなく、骨の健康維持においても大切な要素です。
腸内環境も整えてくれる善玉菌を増やしてくれて、骨密度アップにつながるカルシウムやたんぱく質が豊富なヨーグルトは、まさに一石二鳥のおすすめ食材。毎日の摂取を習慣にして、腸と骨密度アップのダブルケアを意識していきましょう。