
カルシウムに加えて、ビタミンやたんぱく質などがバランスよく含まれているヨーグルト。実は寝る前に食べると、骨の健康により良い効果が得られると言われています。なぜ夜に食べるのがおすすめなのか、骨に良い理由と効果的な食べ方、注意点についても解説します。
骨の健康にヨーグルトが良い理由
ヨーグルトには、骨の健康に欠かせないさまざまな栄養素が含まれています。まず、骨の主成分であるカルシウム。乳酸発酵していることで、乳製品のなかでもカルシウム吸収率が高い食品です。そして、カルシウムの吸収を助けるビタミンDやビタミンK2も含まれています。また、腸内環境が整っているとカルシウムの吸収率が高まるため、腸にとって良い乳酸菌も多くさらに効果的です。
加えて、骨の形成に必要なたんぱく質、マグネシウム、リンなども豊富に含まれているヨーグルトには、総合的に骨の健康をサポートする栄養素が揃っているのです。
ヨーグルトを食べるのにベストなタイミングは「寝る前」?

ヨーグルトは、寝る前に食べると、骨により良い効果があるといわれています。その理由は次のとおりです。
・骨代謝にとって良いタイミングだから
私たちの骨は、古い組織が分解されて新しい組織が作られる「骨代謝」が絶えず行われています。特に夜から明け方にかけては、成長ホルモンの分泌が活発になり、骨代謝が盛んになる時間帯です。このタイミングで必要な栄養素がしっかり摂れていると、骨代謝が効率よく行われるのです。さらに、ヨーグルトの良質なたんぱく質は、筋肉の修復や骨の形成をサポートし、カルシウムの吸収も促進する働きがあります。
・カルシウムを吸収しやすく、整腸作用も
カルシウムは腸から吸収されるため、腸内環境はとても重要です。乳酸菌は腸にとって良い働きをしてくれますが、日中は胃の働きが活発なため胃酸が多く、乳酸菌が腸に届きづらくなっています。むしろ夜は胃腸が休まり、乳酸菌が生きたまま腸に届きやすいので、ヨーグルトによる整腸作用を感じやすくなります。
寝る前にヨーグルトを食べる際の注意点

ただし、「寝る前」といってもベストなのは、就寝2~3時間前。寝る直前だと、うまく消化されなくなってしまいます。また量を食べ過ぎる、糖分の多いものを選ぶと、カロリーを摂り過ぎてしまうので、ヨーグルトの量は100~200gがちょうど良いでしょう。
また、オリゴ糖やはちみつで善玉菌をさらに増やす、きな粉でカルシウムを補給する、ナッツやバナナで食物繊維を加える、果物でビタミンも組み合わせると、栄養バランスはよりアップしますが、寝る前だと脂質やカロリーも気になるため控えめにしておきましょう。また、冷たいままだと内臓や身体が冷えてしまうことがあるため、温めて食べるのもおすすめです。
最近は、睡眠の質につながるもの、脂肪や砂糖が少なめのもの、生きたまま腸に届くタイプなど、ヨーグルトの種類によってさまざまな効果が期待できます。自分の好みや目的、体質に合わせて選ぶようにしましょう。
毎晩のヨーグルト習慣で将来の健康な骨づくりへ
寝る前のヨーグルトを習慣化することで、骨密度の維持や向上はもちろん、睡眠の質のアップ、腸内環境の改善、免疫力の向上など、さまざまなメリットも期待できます。特に、閉経後の女性や高齢者にとっては、骨粗しょう症予防の観点からもぜひ習慣にしたいところです。
健康な骨づくりのためには、1週間、1ヶ月といった一時的、かつ短期間ではなく「できるだけ若いうちから長く続けていくこと」が何より大事。誰でもすぐに実践できるヨーグルト習慣は、手軽な骨の健康対策のひとつです。ぜひ今日から始めてみてください。