「チーズは好きだけど太りそう」と思っていませんか?
確かにチーズは脂質が多いため、食べ過ぎはNG。でも、上手に取り入れれば、ダイエット中に不足しがちな栄養素を効率的に補える食品です。
そこで今回は、チーズのダイエット効果や食べ方のポイントなどを紹介します。
お腹ぽっこりにチーズが良い!?
一般に「チーズは太る」と思われていますが、研究者たちは「チーズが内臓脂肪の蓄積を抑える可能性がある」と、かなり前から考えていました。というのも、チーズの消費量が多い国のほうが循環器系疾患の死亡率が低いというデータがあるからです。
循環器系疾患にはメタボリックシンドロームが深く関係しています。メタボのベースには内臓脂肪の蓄積があるため、次のような仮説を立てて実験をしました。
『もしかすると、チーズをたくさん食べると内臓脂肪が減り、メタボ予防につながるため、心臓や血管の病気で亡くなる人が少ないのではないか』。
ラットを使った実験※では、エサにチーズを混ぜると内臓脂肪の蓄積が抑制されることが分かりました。つまり、お腹ぽっこりにチーズが良いかもしれないというわけです。
このとき、痩せホルモンと呼ばれるアディポネクチンが維持されていることも確認。アディポネクチンは血管を修復したり、血糖値を抑制する働きがあり、内臓脂肪が増えると分泌が減ってしまいます。これが維持されたことは、チーズがメタボ予防に役立つ可能性を示しています。
出典:日本酪農科学会.ミルクサイエンス,64(1),43-51,(2015).雪印メグミルク株式会社
ダイエットにチーズがおすすめの理由
チーズがダイエットに良いと言われる理由は、含まれる栄養素や成分にもあります。
【脂質】
チーズの脂質は短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸の割合が高く、エネルギーとして消費されやすいという特徴があります。
【ビタミンB群】
三大栄養素をエネルギーに変換する際に必要なビタミンB群を含み、特にカマンベールチーズ、チェダーチーズ、パルメザンチーズは脂質の代謝を促すビタミンB2が豊富です。
【たんぱく質】
チーズの種類にもよりますが、10~40%程度のたんぱく質を含んでいます。発酵と熟成の過程でたんぱく質が分解されてできるペプチドの中には、抗酸化作用を持つものもあるようです。
【カルシウム】
カッテージチーズとクリームチーズ以外のほとんどのチーズは、牛乳の5~7倍ほどのカルシウムを含んでおり、カルシウムは肥満を防ぐ効果が報告されています。
【糖質】
チーズは糖質が少ないため、血糖値の急上昇による脂肪の合成が起こりにくいと考えられます。
【乳酸菌】
ナチュラルチーズには乳酸菌などの善玉菌が含まれ、腸内環境を整える働きがあります。
ダイエットにおすすめ&控えたいチーズ
チーズにはたくさんの種類がありますが、ダイエット中におすすめなのは、カッテージチーズ、カマンベールチーズです。
特にカッテージチーズは他のチーズに比べてカロリーが低め。牛乳とお酢(またはレモン汁)があれば、家庭でも簡単につくれます。ただし、発酵や熟成はされないので、牛乳のたんぱく質を効率的に摂る方法と考えたほうが良いでしょう。
反対にダイエットに向かないチーズは、塩分高めのブルーチーズ、脂質多めのクリームチーズ、パルメザンチーズなど。ただし、ブルーチーズやクリームチーズなどもたまに少量食べる程度であれば大丈夫ですし、パルメザンチーズはパスタなどに少量かける程度であれば問題ありません。
チーズの食べ過ぎは逆効果
チーズは種類によってカロリーや塩分が大きく異なります。おやつでチーズを食べる場合は200kcalまでが適量です。以下の表を参考に、塩分の摂り過ぎにも注意して食べる量を調節しましょう。
また、いくら太りにくいとはいえ、寝る前に食べると消費されなかったエネルギーが脂肪として蓄積されます。チーズを食べるなら、寝る2~3時間前までにしましょう。
さらに、野菜や果物と一緒に食べると、チーズに含まれないビタミンCや食物繊維が摂れ、栄養バランスがアップします。野菜や果物にはカリウムも含まれ、塩分の排出を促してくれるので一石二鳥です。
まとめ
ダイエットでは空腹をコントロールすることと、必要な栄養素を不足しないように摂ることが大切です。その点、栄養価が高く腹持ちが良いチーズは、間食や補食に最適。空腹を感じたときにサッと口に入れられる手軽さもポイントです。