走ると脚が痛い!ランニングやマラソンを無理なく続けるには?

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ダイエットや健康維持、ストレス解消にも効果的なランニング。
一方で、ランニングにケガは付きものといわれます。
特に脚の痛みは、ほとんどのランナーが一度や二度は経験しているのではないでしょうか。
今回は、ランニングで脚が痛くなる原因や対処法を中心に解説します。

ランニングで脚が痛くなるのはなぜ?

ランニングによる脚の痛みの多くは、「使い過ぎ症候群(オーバーユース)」が原因だといわれています。
どのくらい走ると使い過ぎになるかは人によって違いますが、運動の量や強度が身の丈に合っていない状態だと起こりやすいのです。基礎的な体力や筋力、柔軟性などが足りていないまま反復運動を長く続けると、使い過ぎによる痛みが生じます。

また、運動する準備ができていないのに、いきなり走り始めると、脚がつったり、肉離れを起こしたりします。さらに、走り方が原因で脚が痛くなることも多いため、正しいフォームで走ることが重要です。

ランナーに多い脚の痛みの原因を部位別に解説

ランニングやマラソンで特に痛みが起こりやすいのは、「ふくらはぎ」「足首」「ひざ」「足の裏」「すね」だとされています。部位によって痛くなる原因が若干異なるので、順に見ていきましょう。

ふくらはぎ

ランニングを始めたばかりの人では、ふくらはぎに痛みを感じる人が多いようです。初心者は股関節を上手く使えず、ひざから下を中心に使って、地面を蹴るように走りがち。その結果、ふくらはぎに疲労がたまり、痛みにつながるといわれています。

足首

足首の痛みの原因は、関節の曲げ伸ばしや、ねじれによるストレスです。ランニング中は、着地・踏み込み・蹴り出しの動作によって、足首にねじれのストレスが繰り返し加わっています。走り慣れていないランナーは足首の柔軟性が足りず、ねじれのストレスに耐えられない傾向があります。

ひざ

ひざはランニングで痛めやすい代表的な部位で、ランナー膝といわれる腸脛靭帯炎では、ひざ周辺の靭帯とひざの外側の骨がこすれて摩擦が生じ、炎症を起こすことが原因になります。特に下り坂ではひざに体重がかかるため、痛みが起こりやすいです。また、O脚の人や、足裏の外側から着地するクセがある人は、ひざ周辺の靭帯に衝撃が加わりやすいといわれています。

足の裏

ランニングでは、着地の衝撃によって、かかとと足指の付け根をつなぐ「足底筋膜」に炎症が起こりやすくなります。足底腱膜炎が重症になると、普通に歩くだけでも足の裏が痛いため、日常生活にも支障が出てしまいます。

すね

走るのが楽しくなってきた頃に起こりやすいのが、「シンスプリント」と呼ばれるすねの痛みです。シンスプリントでは、脛骨(すねの内側にある骨)の下3分の1あたりにズキズキとした痛みが生じます。典型的な使い過ぎ症候群のひとつで、長時間の反復運動によって起こります。

シンスプリントは両脚に痛みが出ることが多く、片方のすねだけ痛む場合は疲労骨折の可能性もあります。ランニングでは脛骨に疲労骨折が起こりやすいため、注意が必要です。
脛骨の疲労骨折は、強い痛みや大きな腫れがなく見過ごされがちですが、そのまま放置すると難治骨折(治療しても治りにくい骨折)になる場合も。痛みが続くようなら、迷わず医療機関を受診しましょう。

ランニング中に脚が痛くなったときの対処法

ランニング中の脚の痛みは、我慢できてしまう場合もしばしば。でも、無理をして走り続けると、フォームが崩れて違うところが痛くなることもあります。特に使い過ぎ症候群による痛みを回復させるには、休養するのが一番の近道です。

休むことに焦りや罪悪感を抱くかもしれませんが、炎症が重症化したり、疲労骨折を起こしたりすると、もっと長く休まなければならなくなります。走っている途中でも、痛みを感じたら休止することが大切です。患部の安静を保ち、運動後は、氷のうなどで冷やすと、痛みや炎症が抑えられることがあります。

また、ランニングを再開するときは、しっかりとストレッチを行いましょう。テーピングやサポーターによる保護・固定で痛みが和らぐことがあります。

ランニングによる脚の痛みを防ぐには?

硬い地面の上で行うランニングは、着地の際に足の裏、足首、ひざ、すねに大きな衝撃が加わります。太ももやふくらはぎの筋肉が硬くなると関節が動きにくくなり、衝撃による負担がますます大きくなるため、ランニングの前には十分にウォーミングアップをしましょう。

さらに、正しいフォームで走ることも重要です。理想的な走り方は骨格や体型によっても異なりますが、着地と姿勢を意識すると良いといわれます。
着地するときは、すねが地面と垂直になるように脚を下ろし、足裏全体でまっすぐ踏み込むイメージを持つのが望ましいとされています。
姿勢は上体を少し前傾させ、腰を入れる(股関節を前に出す)ようにして走ると、過剰なひざの曲げ伸ばしを防ぐことにつながり、強く地面を蹴る必要もないので、ふくらはぎや足首が痛くなるリスクも減るでしょう。

正しいフォームで走れているかどうかは、靴を見れば分かるといわれます。ソールが左右均等に減っていない、かかと部分が極端にすり減っている場合は、走り方に問題があることが多く、脚が痛くなりやすいので注意しましょう。

まとめ

ランニングで脚が痛くなったら、まずは休養し、それから走り方を見直すことが大切です。また、基礎的な筋力や柔軟性が不足していると使い過ぎ症候群になりやすいため、ストレッチや筋トレを習慣にすると良いでしょう。
筋肉や関節が硬くならないように、走る前には十分ウォーミングアップを。

医療法人幸鷺会 森整形外科リハビリクリニック 院長 。 公益社団法人日本整形外科学会 整形外科専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
管理栄養士・食育インストラクター 2000年からライター・編集者としてメディア制作に従事。業務を通じて食と健康に興味を持ち、2017年に管理栄養士資格を取得。現在は人間栄養学に基づいた健康記事の執筆活動を中心に、健康相談業務にも携わる。

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