疲労骨折はバスケでも起こる!知っておきたい予防方法と骨のしくみ

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疲労骨折は、同じ部位に小さな力が繰り返し加わることで起こる骨折です。慢性的なスポーツ障害のひとつとして、スポーツを楽しんでいる人たちからはよく知られているケガですね。
疲労骨折は、ジャンプやランニングなどが多いスポーツ選手に多く見られ、バスケ選手も例外ではありません。
今回は、バスケでも起こる疲労骨折の予防方法と骨のしくみを解説します。

バスケで多いケガは?

スポーツの種類によって、よく使う身体の部位が違ったり、繰り返される動きが違ったりするため、ケガの部位や種類は異なります。
バスケットボールでは、次のようなケガが多く見られます。

【疲労骨折】
通常、骨折は1回の大きな力が加わることで起こりますが、疲労骨折は繰り返しのジャンプやランニングなどで起こります。骨に小さな亀裂が生じている状態です。
特定の動きで痛みを感じますが、安静にすると痛みが減少する特徴があります。

【腱損傷】
腱損傷は、筋肉と骨をつなぐ腱が損傷している状態です。腱が強い負荷を受けることで発症します。例えば突き指で指の伸筋腱が完全に断裂すると指が伸ばせなくなります。。

【足首の捻挫】
「足をひねった」「足をくじいた」などと表現される足首の捻挫は、足関節靭帯の損傷です。
骨と骨をつなぐのが靱帯ですが、靭帯が部分的に断裂したり、完全に断裂したりします。靱帯断裂の程度によって痛みの程度が異なります。
重症の場合でも意外に歩けることもあるため、歩けるからと言って軽く見るのは危険です。

【前十字靭帯損傷】
前十字靭帯損傷とは、膝の上下の骨をつなぐ前十字靭帯を損傷するケガです。
ジャンプからの着地時や方向転換時などに受傷することが多く、スポーツを行う場合は手術をして靭帯を再建する必要があります。日常生活に支障がない場合でも長期間の経過で変形性関節症の原因となる可能性があるため手術による靱帯再建が推奨されています。

バスケではどこを疲労骨折する?

バスケで行うジャンプや短距離ダッシュ、切り返しの動作は疲労骨折のリスクを高めます。
バスケでの疲労骨折は下肢に発生することが多く、場所もさまざまです。

【脛骨の疲労骨折】
部位: 脛骨(膝から足首までの太い骨。いわゆる、すね。)
特徴: 脛骨の中央部分で発生し、バスケットボールやバレーボールなど跳躍を多く行う競技でよく見られます。
治療: 難治性であり、完治までに6ヶ月以上を必要とするケースも。手術を選択する場合もあります。

【ジョーンズ骨折】
部位: 第5中足骨(足の甲の外側の骨)
特徴: バスケットボールやサッカー、ダンスなど切り返しの動作が多いスポーツで多く発生し、足の甲の外側や小指の付け根に痛みを感じることがあります。
治療:ジョーンズ骨折も難治性で再発が多く、手術を選択する場合もあります。

【足舟状骨疲労骨折】
部位: 舟状骨(手と足にある。足舟上骨は足部のアーチの頂点に当たる部分)
特徴: バスケットボールやラグビー、陸上競技などでみられ、運動中止期間が短かったり、運動強度を十分に下げない場合には再発することがあります。
治療: 診断・治療ともに難しい骨折です。主に保存的治療となりますが、場合によっては手術が選択されることもあります。

疲労骨折は防げる!予防のためにできること

疲労骨折は外傷性骨折ほどの強い痛みを感じないことが多いですが、それでも放置してよいわけではありません。治療のために適切な安静期間を設ける必要があります。
しかし、安静期間を取ることで「やりたい練習ができない」「チームメイトに迷惑をかけるのではないか」「チームメイトに遅れを取ってしまうのではないか」といった不安が生じることもあります。
そうした状況を避けるために、疲労骨折の予防に力を入れましょう。

バランスのよい食事がとても大切

パフォーマンスを発揮するためには身体を整える必要があり、身体を整えることはケガの予防にもつながります。
骨に特に必要な栄養素は以下のとおりです。

【カルシウム】
骨を構成する主要なミネラルです。骨の強度を保つために欠かせません。
牛乳、プロセスチーズ、納豆、小松菜、ひじきなどに多く含まれます。

【ビタミンD】
カルシウムの吸収を助ける役割があります。
鮭、秋刀魚、しらす干し、きくらげ、干し椎茸などに多く含まれます。

【ビタミンK】
カルシウムの骨への沈着を助ける役割があります。
納豆、モロヘイヤ、小松菜、ほうれん草などに多く含まれます。

【たんぱく質】
骨の成分であるコラーゲンは骨の強度を支えます。コラーゲンはたんぱく質の一種であり、骨のためにはたんぱく質も大切です。
肉類、魚介類、大豆製品、乳製品などに多く含まれます。

ウォーミングアップとクールダウンを軽視しない

ウォーミングアップで筋肉や腱をしっかり動かし、身体を温めることはケガ予防につながります。
練習後のクールダウンも軽視してはいけません。しっかりとストレッチを行い筋肉の中にたまった疲労物質を排出しましょう。そうすることで疲労回復だけでなくケガ予防にも効果的です。

バランスの取れたトレーニングを取り入れる

局所への集中的な負荷は疲労骨折の要因となります。トレーニングを多様化し、バランスよく全身のトレーニングを行いましょう。
また、疲れをためないことも大切です。トレーニングは負荷をかけるだけでなく、適切な休息も取る必要があります。栄養と休息をしっかり取ることでトレーニングの効果も発揮できるといわれています。

衝撃吸収力の優れたシューズやインソールを着用

シューズやインソールを工夫することもおすすめです。
衝撃吸収力が優れていたり、足裏のアーチを支えたりするシューズやインソールは下肢への負担を軽減してくれます。

意外と知られていない骨のしくみ

ここでは、骨のしくみを解説していきましょう。

成長すると身長が伸びますが、これは骨が伸びているということです。
そして、骨は伸びるだけでなく新陳代謝を繰り返しており、日々生まれ変わっています。このことを「骨代謝」といい、骨代謝によって大人になっても骨の健康が保たれます。

骨代謝では古い骨を壊す「破骨細胞」と、新しい骨をつくる「骨芽細胞」がバランスよく働くことが大切です。
この2つの細胞の働きをサポートする成分に、「MBP」というものがあります。
「MBP」はこれら両方の細胞に働きかけることによって、骨密度を高める機能も確認されています。

健康な成人女性が「MBP」40mgを毎日摂った試験では、3ヶ月で骨代謝の改善が確認されました。さらに、6ヶ月で骨密度の上昇も確認されています。
骨は毎日生まれ変わり、骨代謝のスピードもゆっくりであることから、「MBP」を毎日、長期間摂取することが大切です。

まとめ

疲労骨折はバスケットボールの選手にもよく見られるスポーツ障害のひとつです。
疲労骨折は予防できるケガですから、バランスのよい食事、トレーニング内容の工夫など、予防に力を入れていきましょう。

医療法人幸鷺会 森整形外科リハビリクリニック 院長 。 公益社団法人日本整形外科学会 整形外科専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
生命保険会社勤務などを経て、2016年よりライターとしてメディア制作に従事。主に女性向けのメディアにて数々の記事を担当。現在はフリーのライターとして美容・健康・マネーなどを中心に、女性が知りたい、女性に知ってほしい情報を執筆。読み進めやすく分かりやすい文章を得意とする。

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