アスリートは牛乳を飲まないと損!スポーツドリンクに負けない牛乳のパワー

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アスリートの多くは、身体を大きくするために、子どもの頃は積極的に牛乳を飲んでいたのではないでしょうか。
しかし、大人になってからあまり飲まなくなったという話も聞きます。
そこで今回は、牛乳の成分や特性を踏まえ、アスリートが牛乳を飲むメリットについて解説します。

2種のたんぱく質とロイシンが筋肉づくりをサポート

牛乳は、アスリートの身体づくりに必要な栄養素が一気に摂れる飲み物です。中でも注目したい栄養素は、筋肉の材料となるたんぱく質ではないでしょうか。

一口に「たんぱく質」といっても、実はたくさんの種類があり、食品によって含まれるたんぱく質の種類や割合が異なります。牛乳は「カゼインプロテイン」と「ホエイプロテイン」を8:2の割合で含んでいるのが特徴です。

たんぱく質は胃や腸でアミノ酸に分解されてから血中に吸収されますが、ホエイプロテインは吸収スピードが早く、カゼインプロテインはゆっくりと吸収されます。そのため、牛乳を飲むと、長時間にわたって血中にアミノ酸を供給することができるといわれています。

また、ホエイプロテインは筋肉の合成を促す「ロイシン」というアミノ酸が豊富。カゼインプロテインもホエイほどではありませんがロイシンを含んでおり、コップ1杯(200ml)の牛乳で、ゆで卵1個分のロイシンを摂れるとされています。これは一般的なプロテインドリンクとほぼ同量です。

運動後の疲労回復には糖質が必要

牛乳には「乳糖」という糖質も含まれています。糖質は身体が最も利用しやすいエネルギー源で、体内では「グリコーゲン」と呼ばれる形で貯蔵されています。しかし、その量には限界があり、肝臓や筋肉中に少し蓄えられているだけ。運動すると筋肉中のグリコーゲンが枯渇し、筋疲労の原因になるため、運動後は速やかに糖質を補うことが重要です。

また、糖質とたんぱく質を同時に摂取することで、筋肉に糖質が取り込まれやすくなり、筋肉中のグリコーゲンの回復が促されるといわれています。つまり、糖質とたんぱく質を含む牛乳を飲むことで、筋疲労が抑制され、スタミナアップにつながるのではないでしょうか。

さらに、牛乳はエネルギー代謝に必要なビタミンB群も含んでいます。三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)をエネルギーとして利用するには、ビタミンB群が欠かせません。

汗で失われるミネラルをまんべんなく補給できる

アスリートは練習や試合で大量に汗をかきますが、汗と一緒にカルシウムやマグネシウムなどのミネラルも流れ出てしまいます。特にカルシウムは日本人が不足しがちな栄養素の代表格です。

血中のカルシウムが不足すると、骨のカルシウムを溶かして補われるため、骨密度が低下して骨折のリスクが上がります。ハードなトレーニングや接触プレーでケガをしないために、アスリートは毎日十分なカルシウムを摂ることが大切です。

牛乳は、カルシウムをはじめ、マグネシウムなどやミネラルの供給源としても優秀。特にカルシウムはコップ1杯に220mg含まれ、これだけで一般的な成人が1日に摂取したい推奨量の約25~30%を補えます。しかも、牛乳に含まれるカルシウムは吸収率が高いので、汗をかいた後の水分補給として飲むと良いでしょう。

トレーニングの前後に牛乳を飲もう

アスリートにとっては、栄養補給のタイミングも重要です。たんぱく質、糖質、ビタミンB群、ミネラルなどを含み、筋肉の合成やスタミナアップ、丈夫な骨づくりに役立つ牛乳は、トレーニングの前後に飲むと良いとされています。

特に運動後はたんぱく質の合成が活発になるため、30分以内に飲むのがベスト。減量中などで牛乳の脂肪分が気になる場合は、低脂肪タイプの乳飲料を選ぶと良いでしょう。

ただし、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする「乳糖不耐症」の人は、冷たい牛乳を一度にたくさん飲まないほうが良いかもしれません。乳糖不耐症は牛乳に含まれる乳糖を上手く分解できないことが原因ですが、1日に250~300ml程度なら許容できる場合が多いといわれています。

牛乳を飲みたいけれどお腹を下さないか心配な人は、温めた牛乳をゆっくり飲んでみましょう。まったく飲めない人は、乳糖があらかじめ分解されている乳飲料もあるので、試してみてはいかがでしょうか。また、同じ乳製品でもヨーグルトやチーズは乳糖の影響が少なく、たんぱく質やカルシウムはしっかり摂れるのでおすすめです。

管理栄養士・食育インストラクター 2000年からライター・編集者としてメディア制作に従事。業務を通じて食と健康に興味を持ち、2017年に管理栄養士資格を取得。現在は人間栄養学に基づいた健康記事の執筆活動を中心に、健康相談業務にも携わる。

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