現代の若者は運動不足?その原因と知っておきたい健康への影響

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インターネットやスマートフォンが日常に欠かせないものとなった今、成人世代の仕事だけでなく若者の遊び方や運動習慣も大きく変わり、運動不足が指摘されるようになっています。そこでこの記事では、若者世代の運動習慣の変化、心身の健康、特に骨にどのような影響があるのかについて解説します。

運動不足が顕著!「外で遊ばない」が原因に

インターネットが発展し、ゲームや動画など「身体を動かさない娯楽」が増え、大人だけでなく子どもたちの運動量の減少が顕著になっています。

スポーツ庁の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査(令和3年度)」によると、週7時間以上運動している小学生の割合は2016年以降減少傾向にあります。また文科省のデータ(2020年)でも、日本の中高生の6割は日常的に運動していない、小・中学生においても外で遊ばなくなったという回答が多く集まり、実際に体力や運動能力の低下といった身体的な影響も見られます。日本に限らず、こうした若年層の運動不足はWHOの調査においても世界的な問題として懸念されているのです。

この運動時間の減少の大きな理由のひとつとして、テレビやゲーム、スマートフォン、タブレットなどを利用する「スクリーンタイム」の増加が挙げられています。

運動不足が身体、骨、メンタルに与える影響

では、若者世代の運動不足には、具体的にはどんな影響があるのでしょうか。特に、スマホやタブレットなどの利用による運動不足のリスクには次のようなことが挙げられます。

  • 筋力が低下し、身体能力が落ちる:スクリーンを見ている時間が長いと、座っている時間が長くなるため、筋力は低下し、必然的に身体能力も落ちていきます。さらには血流悪化、運動能力の低下にもつながります。

  • 骨の成長が妨げられ、弱くなる:骨の成長や強い骨の維持に必要なビタミンDは、外で太陽を浴びることで生成されます。ところが室内にばかりいるとビタミンDが不足し、カルシウムの吸収が十分に行われずに骨がもろくなるリスクが高まります。

  • 睡眠不足になる:動画やゲーム、インターネットサーフィンなどをしていると、つい時間を忘れて夜更かししがちです。ベッドに入ってからでも操作できるので、目を閉じる瞬間まで強い光を見ていることになり、寝つきや睡眠の質が悪くなり、睡眠障害のリスクも高まります。また、日中に身体をあまり使っていないため頭ばかり冴えて寝付けず、十分に睡眠が取れずに頭も身体も休めない状態になります。結果、日中運動する体力やパワーがないという悪循環にもなってしまうのです。

  • 姿勢が悪くなる:画面を見続けていると、知らないうちに頭が前に出て、本来あるべき首の骨のアーチがなくなってしまうスマホ首やストレートネックになります。若年期からその状態だと、大人になっても正しい姿勢が保てず、慢性的な頭痛や肩こり、眼精疲労、長く続けば関節が固まって動かしづらくなる、痛みが出ることもあります。 

丈夫な心身の土台を作るのが、運動の役割

骨や筋肉など最も身体が作られるのが若年期です。この時期に身体を動かす、外で遊ぶのは、将来にわたって丈夫な心身を養うために不可欠です。筋力は低い、骨への栄養も十分にいっていない状態では、加齢とともにますます身体は弱くなり、さまざまな病気のリスクが高まってしまうからです。

適度な運動刺激は、身体の筋力アップや骨密度アップにいい影響を与えます。さらに外で運動すれば、骨の成長に欠かせないビタミンDが生成され、丈夫な骨づくりの手助けになります。

精神面においても効果的です。運動によって血流がよくなり、脳に酸素が行き渡り活性化し、集中力や記憶力がアップします。ストレス解消にもなるため気持ちが安定し、うつ症状などのリスクも軽減します。

若者が運動不足にならないために、大人ができること

日本人は世界的に見ても「座っている時間が長い」傾向があります。加えて若い世代の運動不足は、大人以上に深刻で重要です。だからこそ、親や大人世代が積極的に若者の運動の機会を提供し、価値や重要性を伝えていくことが大切です。“練習することで何かができるようになる、試合に勝つ喜びや達成感”など、スポーツならではのやりがいや楽しさを伝えるといったこともいいでしょう。また、家族や友人と外で遊ぶ、出かける予定を立てるなど、画面の中だけでは得られない遊びや楽しみに気づかせてあげることも、大人の大事な役割ではないでしょうか。

社会人教育関連の会社で約10年、ビジネススキル系講座の企画編集開発を担当。企業が抱える課題や家族の病気と向き合うなかで、心と身体の健康の重要性を強く感じ、プライベートではヨガ講師に。現在はフリーのライター・編集者として、食や健康、ヨガ、旅に関するテーマの取材&インタビュー、執筆を中心に活動している。

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