【医師監修】骨密度を上げよう!気軽にできる運動と栄養補給について紹介

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「骨密度を上げて元気でいたい」「気軽に運動したい」と思う方にはぜひ読んでいただきたい、骨密度を上げる運動のご紹介です。これを読んで、骨密度を上げる運動を始めてみませんか。

運動と骨密度の関係は?

運動は、骨密度を高めることにつながるといわれています。実際に、運動習慣は、有酸素運動であっても、筋力トレーニングなどのレジスタンス運動(抵抗運動)であっても、骨密度を上げることが研究で判明しています。

運動選手に対する研究では、運動選手の方が運動していない人より骨密度が5~30%も高かったという研究があります。ただし、陸上中長距離選手や水泳選手は一般人よりも骨密度が低い場合もあり、スポーツの種類によって効果が異なる場合もあります。

運動は骨の強度を高める

建物が柱で支えられていて柱の強度が高まると建物が崩れにくくなるように、ヒトの骨は身体の柱の役割を担っています。骨の強度が高まることで健康で”崩れにくい”身体を維持することができます。逆に、骨密度や骨量が低下し、骨の強度が弱まると、骨折のリスクが高まりロコモティブシンドローム(運動器の障害によって日常生活の「立つ」「歩く」などの機能が低下した状態)になってしまいます。

骨強化には、運動による骨への物理的刺激が必要です。また、筋力と骨密度は比例関係にあるといわれています。さらに運動することによる物理的刺激だけでなく、運動することにより血液の循環がよくなり、骨に栄養が届くことで骨が強化されます。

骨密度を上げる代表的な運動

骨に対する最も強い効果のある活動としては、以下のような種類があります。

  1. 強い衝撃のある運動、早く強力な荷重がある運動
     ジャンプ、体操、バレーボールなど
  2. 変化し多彩な新しい荷重角度や荷重の程度を繰り返す運動
     バスケットボール、サッカーなどの球技、体操など
  3. 重い負荷や強い力の負荷がかかる運動
     ダンス、重量上げ、水球、サイクリング、クロスカントリースキーなど
  4. 直接衝撃の加わる行動
     テニスのショットなど

水泳は健康には良い全身運動としてよく知られていますが、浮力が働いて骨に重力をかけることができないため、骨を強化する運動としてはあまり推奨されていません。

ウォーキングとスクワットは気軽にできる骨密度アップの運動の代表

骨の強度を保つために、習慣的に運動を実施することが重要です。しかし、上に挙げたような運動がいつもできるとは限りません。運動の時間がとれない方やスポーツできる環境にない方のために、気軽にできる運動をご紹介します。

まず、誰でも手軽にできる運動としておすすめなのは、ウォーキングとスクワットです。骨密度を上げる運動の基本のひとつは、骨に対して垂直方向に重力の荷重がかかることです。ウォーキングは一歩一歩が足の骨に垂直の荷重や衝撃がかかる動作の繰り返しですので、骨密度が高まる理屈に当てはまっています。

また、スクワットは、筋力トレーニングとして知られています。スクワットでは脚に荷重がかかりますが、筋は関節をまたいで腱となり骨に付着し、骨もそれに適応するように強度が高まります。

家でも気軽にできる骨密度アップ「かんたん骨(コツ)体操」

ここで、家にいても気軽に実施できる、骨密度アップの運動をご紹介します。
その名も「かんたん骨(コツ)体操」。骨のプロが考案した、5秒×2セットでできてしまうとても簡単で効果的な運動です。

「骨に良い運動」を始めたいけれど、激しい運動は難しい方、40歳以上、特に女性の方、年を重ねても元気に歩きたい方におすすめです。骨を強くする体操、骨を整える体操、骨を支える体操といった種類があります。

骨を強くする体操;いただきます体操

  1. 両手の平を合わせしっかり押し合いながらかかとを上げて下げてを繰り返します(5回)
  2. 次に両手の平を上下に合わせ親指以外の4本の指を組み合わせ、外側に引っ張り合いながら、かかとを上げて下げてを繰り返します(5回)

「かんたん骨(コツ)体操」はこちらの記事で詳しく解説しています。

骨密度を上げるには食べもので栄養補給も必要!

運動が骨密度を上げることはご理解いただけたかと思いますが、骨密度を上げる習慣として、運動とともに大切にしたいのは、骨密度を上げる栄養の補給です。

骨密度を上げるために、カルシウムを毎日の食事で意識的に摂取することが非常に大切です。カルシウムを豊富に含む代表は乳製品や乳飲料です。カルシウムは、小魚などにも豊富に含まれています。

一方で、カルシウムは身体に吸収されにくいことも知られています。カルシウムの十分な吸収や骨への沈着、カルシウムが身体の外に排出されるのを防ぐために必要な栄養素は、ビタミンD、マグネシウム、ビタミンKなどです。ビタミンDが多く含まれるのは魚類やきのこ類、ビタミンKは納豆やブロッコリー、マグネシウムは海藻類やナッツ類に多く含まれます。こうした食品もカルシウムと一緒にとることで、骨が強くなります。

まとめ

運動と骨密度の関係として、運動は骨密度を高めることにつながります。

骨強化には、骨への物理的刺激がある運動が適しています。気軽にできるのはウォーキングとスクワットです。また、骨のプロ考案のすぐにできてしまうとても簡単で効果的な運動「かんたん骨(コツ)体操」もあります。さらに、骨密度の強化として、骨密度を上げるカルシウムなどの栄養を補給して、骨密度を高めていきたいですね。

医療法人幸鷺会 森整形外科リハビリクリニック 院長 。 公益社団法人日本整形外科学会 整形外科専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
医療系広告代理店勤務を経て、某医療雑誌の編集長。専門医向けの国際学会の記事から一般向けの病気解説まで幅広く対応。その傍ら、クリニックのHPのリニューアルにも従事し、最近ではメダリストのインタビューや自動ドア関連コンテンツなど医療以外の分野も様々手がける。

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