骨が弱いままで運動していると・・・
歳を重ねると気になるのが、筋力や体力の低下。普段から、運動不足にならないように心がけているなど、筋力や体力が落ちないように注意しているという人もいるのはないでしょうか。
ただし“筋肉だけ”に注目していると、ちょっとした負荷で疲労骨折してしまったりする可能性も大いに出てくるのです。女性が特に気をつけないといけないポイントを解説しました。
「筋肉だけ」が骨に与えるデメリットとは?
「筋力を落とさないようにしよう」「筋肉を鍛えるために運動をしよう」と筋肉のケアは意識していても、「一緒に骨も鍛えよう」という人はあまり多くありません。実は、ただ運動するだけでは、骨に悪い影響を与えることがあります。
身体を動かしたり運動したりすると、汗をかきます。
カルシウムは汗と一緒に流れるため、運動をしてたくさん汗をかくと自然とカルシウムは失われてしまうことになるのです。
さらに、骨が弱いままで運動をすると、負荷が強すぎて疲労骨折につながることも考えられます。
骨は慢性的に栄養不足?!
「そんなに本格的なトレーニングや激しい運動をしているわけじゃないから大丈夫」と思うかもしれませんが、そもそも日本人は全体的にカルシウム不足気味。国立健康・栄養研究所による「国民健康・栄養調査」の平均値で見ると、1995年以降、厚生労働省が定めているカルシウム推奨摂取量を一度も満たしていません。むしろ、近年は減少傾向です。
加えて、骨の健康に欠かせないビタミンDの摂取量、骨や筋肉をはじめ身体の元となるたんぱく質の摂取量も減少しています。そのため、自分が思っている以上に、骨にとっては栄養不足の可能性も。自覚はなくても骨が弱っていることがあり、決して他人事ではないのです。
参考:国立健康・栄養研究所「国民健康・栄養調査」
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/kenkounippon21/eiyouchousa/keinen_henka_eiyou.html
特に女性に「筋肉と骨のケア」が必要な理由
女性こそ、筋肉と骨の両方のケアが必要だという理由のひとつは、女性ホルモンの影響があります。女性は加齢に伴って女性ホルモンの分泌が減り、骨密度が減って骨がもろくなりやすくなります。
そのため、骨をケアしていないと、筋肉の急な負荷に骨が耐えられなくなってしまうリスクが高いのです。
せっかく筋力をアップさせようと運動を始めたのに、骨を痛めてできなくなってしまい、筋力がいっそう落ちてしまうのでは逆効果です。
また、もうひとつは、女性ならではの食や栄養への考え方です。健康、ダイエット、エイジングケアのために「健康的な食事をしなくては」という意識が高い女性。野菜中心の生活で肉を食べない、カロリーを考えて食事の量が少ないなどから、たんぱく質が足りなくなりがちです。また、ヘルシーな魚や海藻などでカルシウムは摂れていると思っても、乳製品に比べると吸収率は劣るので十分足りていないこともあります。知らないうちに骨や身体を作るために必要な栄養が不足していることが懸念されるのです。
10年後も動ける身体のために!筋肉と骨はセットで
将来もしっかり動ける身体のためには、筋肉の維持、筋力アップは大事です。ただ、そのためには、骨も一緒に強化することが重要。骨と筋肉はセットで考えるようにしましょう。
運動面では、骨に大きな負荷をかけないような日常に組み込める“ながら運動”から習慣化。そして栄養面では、筋肉を作るたんぱく質とともに、骨の栄養となるカルシウムや「MBP」も一緒に摂取して、効率的に栄養を摂ることが丈夫な身体づくりの秘訣です。