このところ「なんとなく寝つきが悪い」「眠りが浅い気がする」「朝起きてもスッキリしない…」そんな眠りの不調を感じていませんか?実は、眠りは年齢とともに変化し、特に女性は眠りの悩みを感じやすいのです。また、睡眠は骨の健康にも重要な役割を果たしています。
そこで今回は、睡眠の質が変わる女性ならではの理由や睡眠と骨との関係、睡眠の質を高める方法を解説していきます。
そもそも、年齢とともに睡眠は変化する
疲労回復はもちろんのこと、眠っている間には、身体の様々な細胞や組織がつくられており、日々の健康・生命維持にとても重要です。若い頃は何も気にせずに眠れていたのに、30代、40代と年齢を重ねていくごとに、なんだか眠りの質が悪くなった、眠りで悩むことが増えてきたという人も多いのではないでしょうか。
それもそのはず。睡眠は年齢とともに浅くなるものだからです。その理由は、加齢とともに活動量や基礎代謝が低下するため、若い頃と比べると必要な睡眠量が減っているため。さらに、睡眠を促すホルモンの分泌が減っていくためです。
女性ホルモンと眠りは関係している!?
特に、女性は眠りの悩みを感じやすいもの。その原因のひとつが、ホルモンバランスです。「生理直前や生理期間中に眠くなる」という経験がありませんか?この期間には、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が増加します。エストロゲンには、身体を休ませようとする働き、つまり『眠気を促す』作用があります。更年期になると、このエストロゲンが減少するので、眠りづらくなってしまうのです。
睡眠は、骨の健康にも影響する
睡眠の時間や質は、実は骨の健康にも大きく影響します。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、子どもの成長に関わる大切なもの。ですが、大人にとっても欠かせません。成長ホルモンには、身体の細胞修復をする、ホルモンバランスを調整する、代謝を促進する、免疫機能を促進させるといった様々な働きがあります。
さらに、骨の成長を促す、骨量を保つなど、丈夫な骨を作るために必要です。そのため、深く質の良い、かつ十分な時間の睡眠が取れていないと、この成長ホルモンが十分に働かず、骨密度が低下する、骨粗しょう症のリスクが高まるなど、骨にとって悪影響を及ぼします。
2019年にアメリカで発表された閉経後の女性を対象にした調査でも、「短時間睡眠は、骨密度低下や骨粗しょう症リスクを増加させる」という結果が発表されています。
眠りの質を高める3つのコツ
もし「眠りの質に変化が出てきた」と感じたら、その時が「眠るための工夫や対策」が必要になったというサイン。眠りの質を高めるために次のことを取り入れましょう。
①体内時計を整える
人間には体内時計が備わっていて、このリズムがうまく働くことで、脳も身体もしっかりと休まる睡眠を取ることができます。そのために必要なのが、一定の生活リズムを身体に覚えさせること。朝起きたら太陽の光を浴びる、起床や食事を同じ時間にすることを心がけてみてください。
②眠りに良い栄養素を摂る
睡眠の質を高めるには、眠りに効果的な栄養素を摂ることも大切です。特に、睡眠ホルモンの原料となるトリプトファン、気持ちをリラックスさせるカルシウムは、睡眠はもちろん、骨の栄養にもなる成分です。おすすめの食材は、大豆製品、卵、乳製品です。
③就寝前に「寝るモード」を作る
しっかり眠るためには“脳や身体が眠りやすい状態”にすることが大切です。就寝90分前までには入浴する&スマートフォンやPCを見ないようにする、夕方以降はカフェインの多いものを摂らないようにするといった生活スタイルの工夫や、寝室の照明を落とす、好きなアロマを使うなど、リラックスできる就寝環境を作りましょう。
年齢とともに、睡眠のためのケア大切に
女性はただでさえ、年齢を重ねるとエストロゲンの減少によって、骨密度の低下が起きやすいもの。そのうえよい睡眠が取れていない状態では、骨の健康リスクは高まる一方です。睡眠の質を高めることは、毎日の健康、そして骨の健康維持にも繋がることを意識して、年齢とともにしっかりとケアしていきたいものです。