更年期にはさまざまな不調が現れます。
めまいや発汗、ほてりなどがよく聞かれますが、手指の不調を訴える方も少なくありません。手指の痛みが更年期の症状のひとつとは、考えてもいなかったという方もいるかもしれませんね。
今回は、手指の不調の原因や対策を紹介します。
更年期によくある指の症状とは?
指の関節の痛みや手のしびれを感じる方は、ケガをしたわけでもないのになぜ?と不安になりますね。
例えば、手指の関節が腫れて痛みがある、手を握れない、ふたを開けるような動作が難しい、特に朝に手がこわばるなどの症状を訴える方は少なくありません。
骨や関節などのトラブルであることから、まさか女性ホルモンが関係しているとは思いもしないでしょう。しかし、これらの症状は更年期の女性に多く、女性ホルモンが不安定になることが原因のひとつとされているのです。
更年期に起こる指のトラブル5つ
更年期に起こる指のトラブルは、主に5つあります。
①手根管症候群
親指から薬指の親指側にかけてのしびれ、痛みの症状があります。明け方に痛みやしびれが増し、指を下にして手を振ると症状が楽になることが多いのが特徴です。
②ヘバーデン結節
ヘバーデン結節は、指の第一関節が変形し曲がってしまう疾患です。痛みやしびれを伴う場合や、水ぶくれができることもあり、指の第一関節の動きが悪くなります。
③ブシャール結節
ブシャール結節は、指の第二関節にヘバーデン結節と同じ症状が現れる疾患です。ヘバーデン結節と同様に、痛みが必ず生じるわけではなく、痛みを感じない方もいます。
④ばね指
ばね指は、指の付け根に痛みと引っ掛かりを感じます。特に、親指・中指・薬指に多く見られ、朝方に指がこわばり、日中は症状が軽減することもあります。
⑤母指CM関節症
母指CM関節症は、瓶の蓋をあけたりドアノブを回したりなどの動作で、親指の付け根が痛みます。
他の病気が原因となる可能性も
手指のトラブルは更年期の女性に多いですが、他の病気が痛みやしびれの原因である可能性もあります。自己判断で更年期の症状と決めつけず、まずは医療機関を受診しましょう。
関節内に炎症が生じて痛みを感じる疾患に「関節リウマチ」があります。症状は手足の指関節の腫れやこわばりが多く、ほかの様々な関節に痛みを感じることも。
「手指の痛み=更年期の症状」と決めつけずに早めに受診しましょう。
更年期の症状だと分かったらどうする?
医療機関を受診し、更年期に起こる指のトラブルだと分かったらどうなるのか、知っておきたいですね。
整形外科では痛みのある部位に固定装具を付けたり、痛み止めの内服や関節内注射、場合によっては手術をすることもあります。
更年期に手指のトラブルが起こる要因は、女性ホルモンのエストロゲンが減少しているからだと考えられています。エストロゲンの減少は骨密度の低下にも影響を与えるため、他にも骨のトラブルが起こらないよう気をつけなければいけません。
「くしゃみをしたら骨が折れた」「手をついただけで骨が折れた」など、わずかな衝撃でも骨折する骨粗しょう症は、骨密度の低下によって骨がもろくなる骨の病気です。いつまでも元気に動けるように、骨のケアにも力を入れていきましょう。
まとめ
生活の中で手指はよく使う部位ですから、痛みやしびれなどを感じると日常生活に困難をきたすこともあります。違和感があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
また、エストロゲンの減少が骨密度の減少にもつながっていることを意識して、骨のケアを心がけていきたいですね。