骨折や捻挫と同じように、「肉離れ」もよく聞く怪我のひとつです。
スポーツをしている最中に発症することが多いですが、日常生活で発症することも少なくありません。つまり、誰にとっても他人事ではない怪我なのです。
そこでこの記事では、肉離れの原因や治療にかかる日数、再発予防のためにできることを解説します。
肉離れとは?起こりやすい部位と症状
肉離れは、筋肉が断裂する怪我です。スポーツをしている最中、急に無理な動作をした場合に筋膜や筋線維が損傷したり断裂したりすることがあります。これが肉離れです。正式には「筋挫傷(きんざしょう)」といいます。
典型的なものはふくらはぎの内側で、大腿部に生じることもあり下半身の筋肉に起こることが多い怪我です。
スポーツ活動中に発症しやすい怪我ですが、重いものを動かそうとした時や転びそうになった時など、日常生活の中で発症することも少なくありません。
受傷すると炎症や内出血を起こし、激しい痛みを感じます。軽度であれば自力での歩行が可能ですが、重度になると自力での歩行が困難な場合もあります。
肉離れの原因を解説!運動不足だとなりやすい?
肉離れは、筋肉が収縮した状態で逆に引き伸ばされるような力が加わったときに生じます。
例えば、ダッシュやジャンプなど急な動作を行ったときに、筋肉が対応しきれずに起こります。
しかし、急なダッシュやジャンブなどで必ず肉離れになるわけではなく、筋肉のコンディションが大きく影響します。筋肉が硬いと、筋肉が縮もうとする力が強い状態なため、筋肉が反対方向へ引き伸ばされることにより肉離れを発症しやすくなります。
運動不足だと肉離れになりやすいと聞いたことはありませんか?
これは、運動不足により筋肉が硬くなっていると肉離れになりやすいという意味で言われているのです。
筋肉疲労の蓄積や加齢も肉離れを引き起こす要因となります。
肉離れになってしまったら
肉離れになってしまったら、まずはすぐに冷やすことが大切です。冷やすと内出血の拡大を防ぐ効果がありますが、冷やし過ぎると血行を悪くしてしまうので、目安は30分ほどと言われています。
怪我をした部分に体重をかけないようにし、病院へ向かいましょう。
肉離れ(外傷)の適切な処置方法は「POLICE」です。
Protection (保護): 損傷した筋肉を保護するために、ストレスや負担から守ります。テーピングテープやサポーターなどを利用して患部を適切に固定します。
Optimal Loading (最適負荷): 完全な安静ではなく、痛みを悪化させない範囲で適度な活動を行うことが推奨されます。適度に動かすことで血流が促進され、回復が早まることがあります。
Ice (冷却): 損傷部位に氷や冷却パックを適用することで、腫れや痛みを軽減します。通常、48時間までが効果的とされています。
Compression (圧迫): 圧迫バンドや包帯などを使用して、損傷部位を圧迫することで腫れを抑えることができます。
Elevation (挙上): 損傷した部位を心臓より高い位置に保つことで、腫れや痛みを軽減し、血液循環を改善することができます。
発症から完治まで、一般的には3~5週間かかると言われていますが、完治までの期間も症状により異なります。
肉離れの再発予防のためにできること
肉離れは激しい痛みを伴い、日常生活にも影響を与える怪我です。再発予防に力を入れましょう。
普段の生活の中でも発症することがあるため、スポーツを控えるだけで解決するものではありません。
また、肉離れは突発的な怪我のように感じますが、前述したように筋肉疲労の蓄積や筋肉の硬さも影響を与えます。普段から筋肉疲労が残らないよう心がけ、ストレッチも取り入れて筋肉を良い状態にしておきましょう。
さらに筋肉をつくるたんぱく質を十分に摂るように心がけることも大切です。
肉や魚、大豆や乳製品を積極的に摂りましょう。
まとめ
肉離れは誰にでも起こり得る怪我です。発症したら応急処置をし、すみやかに受診しましょう。
再発予防のために、日頃から筋肉のコンディションに気を配ることも忘れずにいたいですね。