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骨の状態を確かめるために欠かせない骨密度ですが、自分の骨密度が高いのか低いのかは知っていますか?そもそも、骨密度の高い低いはどのように決まるのか、どうすれば高くなるのか、高いとどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。骨密度についてのさまざまな疑問を解説します。
骨密度が高いor低いはどう決まる?
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骨密度とは、骨の強さを表す指標のことです。骨の中に、カルシウムやリンなどのミネラルがどの程度詰まっているかという骨量を調べることでわかります。骨密度の数値を評価する際には、若い人の骨密度平均値を100%として、それに対して何パーセントかで「高い/低い」が決まります。この指標を、YAM値(=Young Adult Meanの略)といいます。YAM値が80%未満だと骨量減少、70%以下だと骨粗しょう症です。また、脊椎の圧迫骨折や大腿骨近位部骨折を受傷した場合はそれだけで骨粗しょう症と診断されます。
骨量の数値が高ければ、骨の密度が高くギュッと詰まっている、低いとすきまがあってスカスカしているというイメージです。この状態が、骨粗しょう症です。同じ衝撃や負荷がかかっても、高ければ骨折しづらく丈夫で強く、逆に低いと骨折しやすくもろくて弱いということになるのです。
骨密度が高くなる要因は?
骨密度が高くなる要因には、持って生まれた体質やこれまでの運動習慣、普段の生活習慣など、いくつかの要素が考えられます。主に以下のようなことです。
・遺伝によるもの
骨密度は遺伝的な要素もあるので、家族に高い人がいると同じように高くなることがあります。
・昔から強度の高い運動習慣がある
骨は、ある程度の負荷がかかることで丈夫になります。そのため、子どもの頃や学生時代にバスケットボールやバレーボールなどのジャンプをする競技、重量上げのように重いものを持って負荷がかかる競技をしていた経験がある、もしくは今現在も定期的に運動を続けていると高くなる傾向があります。
・体重が重い
一般的に体重が重いと、骨にかかる負荷が大きくなり、重さを支えるために骨が丈夫になるため骨密度は高くなるといわれています。ただし、重要なのは「肥満ではなく、適切な体重である」ということです。
・骨を丈夫にする栄養や食事をしっかり摂っている
普段からカルシウムやビタミンDといった、骨の強化につながる栄養が豊富な食事を摂っていると、高くなります。
「骨密度が高すぎる」ことのデメリットとは?
骨密度が高い=骨が強いということなので、一般的にはメリットのほうが多いといえます。デメリットはほぼありませんが、あまりにも数値が高すぎるという場合は、次の点に注意が必要です。
・骨の柔軟性が低下する
骨はしなやかで丈夫であることが大切です。骨密度が高すぎて、硬いだけで柔軟性が少ないと、かえって折れやすくなることがあります。
・骨の正常な機能を妨げる病気、症状がある
極端に数値が高すぎる場合は、何か病気が潜んでいる可能性もあります。専門医に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。
骨の強度は骨密度だけじゃない!「骨質」も大事
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骨密度は年齢とともに自然と低下していくため、若いうちから骨密度を高めておくことが大切です。そしてその骨密度をキープできるよう、年齢を重ねるとともに骨に対するケアはより積極的に取り入れていきましょう。骨のケアは早く始めれば始めるほど、効果が期待できます。
骨密度と同様に考えたいのが、「骨質(こつしつ)」です。骨質は、骨の微細構造、骨の代謝などのこと。いくら骨密度が高くても、骨質が悪ければ骨折しやすい状態となってしまうのです。骨質を測る方法は一般的ではありませんが、骨質にはコラーゲンの量や質が関係しています。コラーゲンを良い状態に保つためには、バランスの取れた食生活、ストレスをためないようにすることが大切です。
まずは自分の骨の状態を一度しっかりと把握しておきましょう。そして必要ならば定期的に骨密度検査を受け、骨密度、骨質の両方を意識して、骨に良い生活習慣を続けていきましょう。