【医師監修】腸内環境を改善する8つの習慣~朝起きたらまずアレをする!~

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腸がきれいになると肌もきれいになり、ダイエットにも役立つことは、ご存じの方も多いでしょう。
実はそれだけではなく、腸内環境が改善されると骨にも良い影響がたくさんあります。
そこで今回は、腸と骨の関係を踏まえ、将来のために見直したい生活習慣をご紹介します。

腸内環境を改善すると骨にもメリットがある!

腸内環境を改善するメリットはたくさんありますが、よく知られているのは、肌への効果とダイエットではないでしょうか。また、コロナ禍以降は免疫力アップのために腸活をする人も増えました。

そもそも腸活は、腸内に生息する「善玉菌」を増やすことです。善玉菌は人間にとって良い働きをする菌全般を指し、骨にも以下のような良い影響をもたらすとされています。

◎ビタミンKの産生が増える

ビタミンKは「オステオカルシン」という骨のたんぱく質を活性化し、骨にカルシウムを定着させる働きがある栄養素です。納豆や緑黄色野菜、藻類などに含まれていますが、腸内の善玉菌によって体内でもつくられています。

◎栄養素の吸収が良くなる

腸内の善玉菌がつくる「短鎖脂肪酸」は、腸内を酸性にして栄養素の吸収を助ける作用があります。特に骨の主成分であるカルシウムは、酸に溶けて吸収されやすくなるため、短鎖脂肪酸をつくる善玉菌を増やすことは、骨の健康においても重要です。

◎骨代謝バランスが改善される

骨代謝(こつたいしゃ)とは、古くなった骨が壊され、新しい骨がつくられるサイクルのこと。骨を壊す反応がつくる反応を上回ると、骨密度が低下しやすくなりますが、短鎖脂肪酸がそのバランスを改善する可能性が示されました。

8つの習慣で腸内環境を改善しよう

腸活というと食べ物に意識が向きがちですが、他にも日々の生活の中で心掛けたいことがいくつかあります。骨を含めた全身の健康につながる腸活の極意を8つご紹介します。

1. 朝起きたら白湯を飲む

人は寝ている間にコップ1杯以上の汗をかくといわれるため、起きたらすぐに水分を補給しましょう。その際、胃腸を冷やさないように、白湯か常温の水が良いとされています。白湯を飲むと胃腸が目覚め、動きやすくなるでしょう。

2. 朝食後トイレに行く

朝食を摂ると本格的に腸の活動が始まります。そのタイミングでトイレに行き、リラックスした気分で過ごすと、便通が起こりやすくなるでしょう。便意がなくても、とにかくトイレに行って座ってみることが大事です。

3. 軽い運動をする

ウォーキングや縄跳びのような軽い運動をすると、腸も刺激されて動きが良くなります。また、腹筋が衰えると排便時に上手く「いきむ」ことができなくなるため、スクワットやプランクなどの筋トレもおすすめです。

4. ストレスをケアする

強いストレスを感じると腸の運動を司る自律神経が乱れ、便秘や下痢の原因になるといわれます。とはいえ、ストレスを感じないようにするのは難しいので、対処法をいくつか考えておきましょう。好きな音楽を聴く、ストレッチをする、ペットと遊ぶ、“推し”の写真を眺めるなどはいかがでしょうか。

5. マッサージをする

大腸を直接刺激するマッサージは、便秘の解消に効果的だとされています。ポイントは大腸の形に沿って、円を描くように揉みほぐすこと。人差し指、中指、薬指を使い、「右の骨盤の内側→右肋骨の下→みぞおちの下→左肋骨の下→左の骨盤の内側」の順に押していくと良いでしょう。

6. 発酵食品を食べる

ヨーグルトやチーズなどの発酵食品には、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が含まれています。善玉菌を食べたからといって、それがすべて腸内に定着するわけではありませんが、毎日摂り続けることで腸内環境の改善が期待できます。

7. 茶色い穀類を食べる

主食の穀類は食物繊維の供給源として重要です。特に玄米や全粒粉などの茶色い穀類は食物繊維を豊富に含み、便通の改善に役立つといわれます。

8. 水溶性食物繊維を摂る

食物繊維は大きく分けて「不溶性」と「水溶性」があり、特に後者は腸内環境を改善する効果が大きいといわれています。水溶性食物繊維は、海藻や熟した果物、ネバネバの野菜、押し麦、オートミールなどに多く含まれるため、これらを意識して摂りましょう。

腸内環境は2週間で大きく変わる!

腸活は続けることが重要です。8つの習慣を少しずつでも実践することで、早ければ2週間ほどで便の状態が変わってくるのではないでしょうか。

腸内環境と便の状態についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

また、腸活と一緒に骨のケアに取り組むのもおすすめ。骨の健康を保つことは、美容やダイエットにも有効です。骨がつくられる際に分泌が増える「オステオカルシン」は、若返りホルモンと呼ばれています。
そして、オステオカルシンを活性化するのが、腸内細菌によって産生されるビタミンKです。腸活と骨のケアは重なる部分も多く、相乗効果が期待できるので、この機会に両方意識してみると良いでしょう。

医療法人幸鷺会 森整形外科リハビリクリニック 院長 。 公益社団法人日本整形外科学会 整形外科専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
管理栄養士・食育インストラクター 2000年からライター・編集者としてメディア制作に従事。業務を通じて食と健康に興味を持ち、2017年に管理栄養士資格を取得。現在は人間栄養学に基づいた健康記事の執筆活動を中心に、健康相談業務にも携わる。

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