【医師監修】骨密度が高い人に見られる特徴とその理由|骨を強く保つ生活習慣5つ

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骨密度が高い人は、年齢を重ねても骨折しにくく、健康的な生活を維持しやすいといえます。
ではなぜ人によって骨密度に差が出るのでしょうか?

本記事では、骨密度が高い人の特徴やその理由、骨を強くするために取り入れたい5つの具体策について詳しく解説します。

骨密度が高い人に共通する特徴とは?

骨密度が高い人には、次のような共通する特徴があります。

●運動習慣がある

日頃から運動していて、筋肉量が比較的多い傾向があります。骨と筋肉は密接に連動しており、筋肉を使うほど骨に適度な刺激が加わり、骨密度が維持できるのです。また、同じことをしていても疲れにくいといった体力面でも違いが見られます。

●骨に必要な栄養を摂っている

骨の健康に必要となるカルシウム、ビタミンD、たんぱく質、ビタミンKなどを自然と、または好んで食べており、バランス良く摂取できています。

●やせ型ではなく適正体重以上

体重が極端に低いと骨への負荷が不足し、骨密度が下がりやすくなると言われています。過度なやせ型ではなく、標準体重を維持することが骨密度の維持に効果的です。

●遺伝的に骨量が高い

骨密度には遺伝的要素も関係しています。そのため、家族に骨密度が高い人がいる場合、同じように高くなることがあります。

骨密度が高い人の身体で起きていること

骨は骨を形成する「骨芽細胞」と古い骨を壊す「破骨細胞」がうまく働き、骨代謝が行われることで健康な骨が維持されています。骨密度が高い人は、この骨代謝がバランスよく安定して行われています。また、カルシウムは吸収率が低く、単に摂取するだけでは不十分な栄養素です。骨密度が高い人は、摂取したものを効率的に吸収し、定着することもできているといえます。

特に女性は閉経に伴って女性ホルモンであるエストロゲンが急激に減少するため、骨密度が低下しやすくなります。こうしたホルモンバランスが良好に保てていると、骨の健康維持にも良い影響を与えてくれます。

骨密度の高さは遺伝や体質といった側面もありますが、多くは生活習慣によって改善・維持が可能な要素なのです。

生活に取り入れたい!骨密度を高める5つの具体策

骨密度は年齢とともに低下していくものですが、生活習慣によって進行スピードに大きな差が出ます。そのため、運動、栄養、日光、睡眠、ストレスケアの観点から骨密度アップにつながる対策を取り入れましょう。

①週3回以上の荷重運動を習慣化する

ウォーキング、ジョギング、階段昇降、スクワットなどの「骨に負荷をかける運動」は骨密度向上に役立つ可能性があります。筋力アップのための運動は骨を強く保つために効果的です。

②カルシウム・ビタミンD・ビタミンKを意識して摂取

乳製品、小魚、納豆、キノコ類、緑黄色野菜などを積極的に取り入れましょう。特に乳製品はカルシウムの吸収率が高く、ビタミンDは吸収率をより高め、ビタミンKは定着を促してくれます。骨の材料やカルシウムの吸収を助ける栄養素をバランス良く摂ることが大切です。

③1日15分程度の日光浴を習慣にする

日光を浴びることで体内でビタミンDが生成され、カルシウムの吸収率が高まります。朝や夕方の時間帯に顔や手足を日光に当てるだけでも効果が期待できます。

④質の良い睡眠を確保する

睡眠中に分泌される成長ホルモンは、骨の修復と再生に不可欠です。睡眠不足が続かないよう、睡眠環境を整えましょう。

⑤ストレスをためない

慢性的なストレスはホルモンバランスを崩し、骨密度の低下を引き起こします。趣味やリラックスできる時間を取り入れ、心と体の健康を整えることも骨の健康に直結します。

骨密度を保つために避けたい習慣と注意点

いくら骨密度を高めるために良いことをしていても、逆に骨密度を下げてしまうような習慣を継続していては意味がありません。骨に悪影響を与える要因を遠ざけることも意識しましょう。

避けたいのが「極端なダイエット」です。過度な食事制限は栄養不足を招き、骨に必要なカルシウムやビタミンの摂取量が不足しがちになります。また、インスタント食品やファストフードばかりの加工食品中心の食生活では、リンの摂取量が過剰になり、カルシウムの吸収を妨げることもあります。

喫煙や過度な飲酒も骨密度に悪影響を与えます。ニコチンは骨の形成を阻害し、アルコールの過剰摂取はカルシウムの吸収を妨げるとされています。さらに、長時間のデスクワークなどにより運動不足が続くと、骨に十分な刺激が加わらない原因になります。

まとめ|骨密度を高く保つためにできること

骨密度を高く保つには、決して特別なことではなく、日々の骨に良い習慣を積み重ねていくことが大切です。骨密度は年齢とともに低下していくため、若いうちから意識することが将来的な骨折や寝たきりのリスク軽減につながります。
今日からできる小さな工夫を取り入れ、将来に向けて「骨の貯金」を始めましょう。

医療法人幸鷺会 森整形外科リハビリクリニック 院長 。 公益社団法人日本整形外科学会 整形外科専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
社会人教育関連の会社で約10年、ビジネススキル系講座の企画編集開発を担当。企業が抱える課題や家族の病気と向き合うなかで、心と身体の健康の重要性を強く感じ、プライベートではヨガ講師に。現在はフリーのライター・編集者として、食や健康、ヨガ、旅に関するテーマの取材&インタビュー、執筆を中心に活動している。

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