加齢とともに肌のハリが失われたり、フェイスラインがぼやけたりするのは自然なことです。
エイジングケアと聞くと、化粧品やスキンケアを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、肌の表面だけではなく、骨の変化が見た目年齢に影響することを踏まえたケアも、エイジングケアのひとつです。
顔の骨密度の変化が「見た目年齢」に直結する
肌のお手入れに用いるスキンケアの製品は非常に多く存在します。ですが、エイジングケアは、肌のお手入れだけではありません。
加齢による身体の変化についての研究によると、眼窩(がんか)(眼球が収まっている頭蓋骨のくぼみ)や上顎(うわあご)、下顎(したあご)などの顔面の骨も、加齢によって骨密度が低下し、骨の形が変化することがわかっています。
骨が痩せてしまうと皮膚や脂肪を支える力が弱まり、フェイスラインが崩れたり輪郭が変わったりする原因になります。
つまり、若々しい印象を保つためには、肌や筋肉に加えて骨という身体の土台の健康を意識することが大切になります。
シワやたるみの原因は複数の要因が関係

シワやたるみは、肌の弾力低下、筋肉の衰え、紫外線や乾燥といった外的要因によって起こります。それに加え、上記のように顔の骨格の変化も外見の変化に影響を与える一因とされています。
そのため、肌の表面や筋肉だけに注目するのではなく、骨を含めた多層的な視点で考えることが、エイジングケアの新しいアプローチといえるでしょう。
骨は顔だけでなく、全身の若さに関わる
骨密度の低下は、背骨や骨盤といった全身の骨で起こります。特に脊椎が弱くなると、猫背や身長の低下、姿勢の乱れを招き、立ち姿や動き全体からも年齢を感じさせやすくなります。
見た目年齢は、肌だけで決まるものではなく、歩き方や姿勢、日常の所作に大きく影響されます。
さらに、骨から分泌されるホルモン「オステオカルシン」は骨代謝を調整するだけでなく、若々しさの維持に関わることが分かってきています。
骨をケアすることは、単に骨折を防ぐためだけでなく、全身の活力や外見の印象を支える意味でも大切です。
さまざまな栄養素で骨を強くする

骨の健康を保つにはカルシウムが基本です。カルシウムは骨の原材料であり、摂取が不足すると骨密度の低下を招きます。
また、ヨーグルトは肌にも良い食品として知られています。ビタミンB群が含まれ、皮膚のターンオーバーを支えたり、たんぱく質によって肌や骨に必要なコラーゲン生成を助けたりします。
さらに乳酸菌・ビフィズス菌によって腸内環境が整うことは、肌荒れ予防や透明感のある肌づくりにもつながります。
ただし、カルシウムは体内に吸収されにくい面がありますので、他の栄養素と組み合わせることが重要です。
- ビタミンK:カルシウムが骨に定着するのを助ける。納豆や小松菜、わかめなどに豊富。
- ビタミンD:小腸でのカルシウム吸収を促進する。鮭や鯖、きくらげ、卵などが代表的。
- マグネシウム:カルシウムと相互作用し、不足すると骨の中のカルシウムが溶け出す。アーモンドや大豆製品、海藻類に含まれる。
骨を強くするたんぱく質「MBP」にも注目
さらに注目されるのが、牛乳由来の成分である「MBP」です。「MBP」は骨を壊す細胞の働きを抑え、骨をつくる細胞を活性化して骨代謝のバランスを整えます。
その結果、カルシウムの定着を助け、骨密度の維持や増加に役立つことが示されています。骨の新陳代謝は年齢を重ねても続いていきます。「MBP」はその働きを健やかに保つ重要な成分なのです。
閉経後の女性や高齢者では、加齢に伴う骨密度の低下を防ぐ手段として、「MBP」を含む乳製品の摂取が有効とされています。
さらに、顔の骨密度を保つことが若々しい印象につながることを考えると、日々の食事から骨の健康を支えることは、見た目のエイジングケアにも直結するといえるでしょう。
骨から始めるエイジングケアで全身を支える
エイジングケアといえば肌のお手入れに意識が向きがちですが、骨も見た目年齢に関わっています。顔の骨はフェイスラインや輪郭を支え、全身の骨は姿勢や動作の若さを支えています。骨をケアすることは、姿勢や表情を含め、全身の若々しさを保つ新しいエイジングケアのかたちです。





