【医師監修】骨粗しょう症になる前に!股関節の骨折を防ぐために知っておきたいこと

FacebookTwitter

股関節まわりの骨折は、高齢になると転倒や骨粗しょう症がきっかけとなり、誰にでも起こり得るケガのひとつ。この骨折は寝たきり生活の原因になることもあるため、注意が必要です。
本記事では、股関節まわりの骨折として知られる大腿骨近位部骨折について、その原因やリスク、将来のために対策しておくべき食事・運動・生活習慣について詳しく解説します。

股関節を骨折するとどうなる?特徴と健康への影響

ここでの股関節の骨折とは、医学的に大腿骨近位部骨折といい、大腿骨の付け根(大腿骨近位部)の骨折を指します。これは主に骨粗しょう症の高齢者が転倒した際に生じやすく、高齢者の骨折の中でも特に多いものです。

この骨折の最大の問題は、日常生活への影響が大きい点です。
骨折すると強い痛みが出て立つことや歩くことが難しくなり、多くの場合は手術とリハビリが必要になります。動けないことによる体力や筋力の低下に加えて、ストレスや他の部位の痛み、食欲低下など、その影響は全身に及ぶことがあります。
また、高齢者の場合は回復が遅れると寝たきりの状態になり、認知機能の低下や持病の悪化を招く恐れもあるのです。
そのため、「単なる骨折」ではなく、自分の生活の質(QOL=Quality of Life)を大きく左右する深刻な骨折だと言えます。

股関節の骨折の主な原因とリスクが高まる状況

股関節の骨折の原因として最も代表的なものが「転倒」です。室内でつまずいた、浴室内で滑った、屋外の階段や段差で転倒したなど、ごく当たり前の日常生活の中で起こっています。
転倒して骨折すると多くの場合歩行が困難になりますが、まれに歩ける場合もあります。
痛みが続き、受診したら骨折していたということもあるため注意が必要です。

このように簡単に骨折してしまう背景には「骨粗しょう症」の影響があります。
骨粗しょう症は骨の密度が減ってスカスカになり、もろくなってしまっている状態のことで、少しの衝撃でも骨折を引き起こします。一般的に加齢とともに骨密度は低下しますが、女性は閉経後にホルモンの影響で骨量が急激に減少するためリスクが高く、特に注意が必要です。

ただし、近年では若年層でも骨の健康状態が悪化しているケースが指摘されています。
無理なダイエットや栄養不足、必要以上に日焼けをさける、過度な飲酒・喫煙などによって骨密度が低下することもあるため、年齢に関わらず注意が必要です。
さらに高齢者に多い理由は「筋力の低下」や「バランス感覚の衰え」も重なるためです。
ふらつきやすく転倒しやすい身体になっていることが背景にあります。

“40代からの対策”がカギ!将来の股関節の骨折を防ぐには?

将来的な骨折を予防するためには、「骨を強く保つこと」と「転倒を防ぐ身体づくり」が欠かせません。ここで重要なのが「40代からの対策」です。

骨量は20代〜30代でピークを迎え、その後は徐々に低下していきます。
40代以降はその骨量をできるだけ減らさないように意識することがポイントです。
継続的に行うことで、将来的な骨折のリスクを大きく下げることができます。

①栄養バランスの整った食事

骨は常に新陳代謝を繰り返し、栄養や生活習慣の影響を大きく受けます。そのため「骨を強くする栄養素」を意識して摂取しましょう。

  • カルシウム:牛乳、チーズ、小魚、青菜類
  • ビタミンD:鮭、秋刀魚、干ししいたけ、きのこ類
  • タンパク質:肉、魚、大豆製品、卵

これに加えて骨密度を高める働きを持つ「MBP」なども組み合わせると効果的です。

②転倒を防ぐ身体づくり

筋力を鍛えることで転倒リスクを下げることができます。太ももやお尻まわりの筋肉は、股関節を支えるうえで重要な役割を担っているため、特に下半身を中心に鍛えると良いでしょう。
加えて、バランス能力を高めるトレーニングを取り入れると、転倒防止につながります。

  • ウォーキング:ほどよく骨に刺激を与えて、強い骨を作る
  • スクワット・ヒップリフト:太ももやお尻の筋肉を強化
  • ヨガや太極拳:バランス感覚を養い、転倒防止に役立つ

③生活習慣、生活環境の改善

骨密度を維持・向上させるには、栄養とともに生活習慣や環境の見直しも必要です。
骨に悪影響のある習慣は避け、転倒リスクになるものをそもそも置かない、取り除くといった住環境の見直しや小さな工夫も大切です。

  • 十分な睡眠をとり、骨と筋肉の回復を促す
  • 極端に体重が増加しないよう、食事や運動をコントロールする
  • 禁煙・節酒で骨への悪影響を減らす
  • 適度な日光浴を行い、ビタミンDの生成を促す
  • 室内の段差を無くす、滑りやすいマットは置かない

骨折を未然に防いで、健康寿命を守る

股関節の骨折を防ぐことは、将来の健康寿命を守ることにつながります。
だからこそ骨の健康を意識し、今からできる予防に取り組むことが大切です。

すでに骨折してしまった場合は、適切な治療とあわせてリハビリも重要です。
再転倒を防ぐための対策を取り入れ、骨の健康を守る栄養や生活習慣を積極的に実践していきましょう。

医療法人幸鷺会 森整形外科リハビリクリニック 院長 。 公益社団法人日本整形外科学会 整形外科専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
社会人教育関連の会社で約10年、ビジネススキル系講座の企画編集開発を担当。企業が抱える課題や家族の病気と向き合うなかで、心と身体の健康の重要性を強く感じ、プライベートではヨガ講師に。現在はフリーのライター・編集者として、食や健康、ヨガ、旅に関するテーマの取材&インタビュー、執筆を中心に活動している。

コラム記事ランキング

あわせて読みたい

骨のケアには
食事+運動と日光浴!

骨の健康を維持・強化するために、カルシウムの摂取はとても大切です。
カルシウムは、体内に吸収されにくいため、摂取されても多くは排出されてしまいます。意識して食事からカルシウムを摂取する。そして、体内に吸収、定着しやすくするために日光浴、バランスの取れた食事、適度な運動も大切です。

骨代謝を改善し
手軽に骨ケア
「MBP」とは

「MBP」は、牛乳にわずか0.005%しか含まれていない希少なたんぱく質です。骨をこわす力とつくる力のバランスを調整して、骨の新陳代謝を改善してくれるのが「MBP」なのです。

おすすめリンク

プロジェクト推進