【医師監修】糖尿病予防の食事で骨も守る。血糖と骨の健康を支える生活習慣

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糖尿病は、血糖値のコントロールが中心となる病気というイメージが強いかもしれません。ところが近年、糖尿病があると骨折のリスクが高まりやすいことも分かってきており、血糖と骨の両方を意識することが大切だと考えられています。

この記事では、糖尿病と骨折リスクの関係を踏まえながら、骨と血糖をともに守るための食事や生活習慣のポイントを紹介します。

骨折と糖尿病の関係

2型糖尿病の患者さんでは、大腿骨近位部などの骨折が多い傾向にあると報告されています。骨折と聞くと骨粗しょう症をまず思い浮かべる方もいますが、特に2型糖尿病では、骨密度が保たれていても、骨折しやすくなることがあります。これは、血糖値が高い状態が続くことで、骨の内部のたんぱく質に影響が及び、骨のしなやかさや衝撃に耐える力が低下すると考えられているためです。
このような高血糖に伴う影響は糖化ストレスと呼ばれ、骨質の低下を通じて骨折リスクを高める要因のひとつとされています。

さらに、糖尿病による視力や末梢神経の障害、筋力低下、血行障害などによって転倒が増えることも、骨折のリスクを高める要因です。また、血糖の管理が不十分なほど骨折が増えやすいとする報告もあります。

糖尿病では骨粗しょう症を合併するリスクが高まりやすく、その結果として転倒時の骨折リスクも高くなります。加えて、合併症によって転倒しやすくなることも重なり、骨折の起こりやすさにつながります。

食事量は体格と活動量などに合わせて

骨の強化と血糖管理の観点では食事量が大切です。過食は肥満などを通じて2型糖尿病など様々な病気を引き起こす要因にもなりますが、少なすぎる食事も骨や筋肉の材料が不足してしまいます。

食事量としては、身長から割り出される標準体重や日々の活動に合ったエネルギー量、基礎代謝などから、適切な範囲のカロリーを摂取することが大切です。
また、体重や食事内容の記録を続けることで、食事量の過不足の傾向をつかみやすくなります。

骨を強くする栄養素はカルシウムを中心に。支える筋力のためたんぱく質も幅広く

カルシウムは骨の主な材料です。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、ビタミンKは骨の形成を支えます。こうしたことから、乳製品や小魚、豆腐、青菜などを積極的に取り入れることが有用です。さらに、野菜・豆・海藻・きのこなどに多い食物繊維は、食後の血糖の上がり方を緩やかにしやすいとされ、血糖管理の観点でも積極的に取り入れることが大切です。

また、骨を支えるために重要な筋肉は、主にたんぱく質からつくられ、筋肉がしっかりしているとふらつきなどが減るため、転倒予防のための身体づくりに欠かせません。
筋肉量が保たれることは血糖の安定にも寄与するため、骨と血糖の双方を意識するうえで重要な栄養素です。

たんぱく質は、魚・肉・乳製品などの動物性と、豆類・穀物・野菜などの植物性をバランスよく摂るとより効果的と言われています。

適度な運動、ストレスや飲酒・喫煙の回避で、骨と血糖管理を強化

骨密度や骨の強さが低下していると、転倒によって骨折しやすくなります。骨への適度な刺激と筋力の維持は、骨粗しょう症の予防と転倒予防の両方に役立ちます。
歩行や自転車などの有酸素運動に、下肢を中心とした筋力トレーニングを無理のない範囲で続けると、骨が刺激され、筋力も保ちやすくなります。
ストレスが続くと血糖値が高くなりやすく、糖尿病の悪化要因になることが知られています。

そのため、血糖を安定させるうえでも、ストレスをため込まない工夫が大切です。短い散歩や入浴などその日にすぐに実行できる気分転換があると良いかもしれません。飲酒は量と頻度の管理を意識し、禁煙も検討しましょう。

こうした生活習慣の改善は、骨密度や骨の質の維持と血糖の安定に寄与し、結果として転倒と骨折の両方のリスクを下げることにつながります。

まとめ

糖尿病に罹患していると、骨粗しょう症のリスクが高まり、加えて視力や神経、筋力の低下などの合併症により転倒しやすくなるため、骨折するリスクも上がります。

骨の強化のために、体格や活動量に合った適正な食事量を心がけ、その食事内容として、たんぱく質、カルシウム、ビタミンD・ビタミンK、食物繊維などを意識しましょう。さらに、運動・飲酒と喫煙の見直しといった生活習慣の改善は、骨の健康と血糖の安定の双方に役立ちます。

まずは身近なことから、骨と血糖をともに守る健康習慣として始めてみてはいかがでしょうか。

医療法人幸鷺会 森整形外科リハビリクリニック 院長 。 公益社団法人日本整形外科学会 整形外科専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
医療系広告代理店勤務を経て、某医療雑誌の編集長。専門医向けの国際学会の記事から一般向けの病気解説まで幅広く対応。その傍ら、クリニックのHPのリニューアルにも従事し、最近ではメダリストのインタビューや自動ドア関連コンテンツなど医療以外の分野も様々手がける。

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