今日からできる転倒・骨折予防──暮らしの中でできること

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「転ばぬ先の杖」といいますが、杖に頼る前に、骨を鍛えて転倒・骨折を予防しませんか?
高齢になると、ちょっとした段差でつまずいて転倒し、骨折につながることがあります。骨折をきっかけに介護が必要になるケースも少なくありません。

今回は、家の中の安全対策から骨を守る栄養管理まで、日常生活で意識したい転倒・骨折予防のヒントをご紹介します。

まずは、家の中の「つまずきポイント」を見直そう!

転倒というと、外出先でのアクシデントを思い浮かべがちですが、その多くは住み慣れた家の中で起きています。特に寒い季節は身体が縮こまって転びやすいので、次のような場所に注意しましょう。

◎居間・寝室

リラックスして長時間過ごす居間や寝室は、最も転倒しやすい場所のひとつ。床に置いた紙類を踏んで滑ったり、コード類やカーペットのわずかな段差でつまずいたり、こたつ布団に足を取られたりします。

床に物を置かない、コード類はまとめる、こたつ布団や引っ掛かりやすいカーペットは使わない、などの対策をしましょう。

◎玄関

玄関は段差が多いので、手すりや踏み台があると安心です。玄関マットの下には滑り止めを敷き、靴や傘は所定の場所に戻すようにしましょう。

◎廊下・階段

転倒防止という観点では、滑りやすいスリッパや靴下は履かないほうが無難ですが、履く場合は滑り止めがついたものや脱げにくいものを選ぶようにしましょう。階段には手すりと、踏み板に滑り止めを付けましょう。さらに足元を照らすセンサーライトがあれば、夜間のトイレ移動に役立ちます。

◎浴室・脱衣所

浴室内はもちろん、脱衣所でのふらつきや入り口の段差にも要注意。座って着替えられるように、脱衣所に椅子を置くのもおすすめです。浴室内は滑りにくい床材にするかマットを敷き、動線に手すりを付けましょう。

自宅でできる転倒予防トレーニング

家の中の環境を整えるだけで転倒のリスクは大幅に下がりますが、バランス感覚と筋力を高めることで、ふらつきにくくなり、転倒への不安感が和らぎます。そのためにおすすめのトレーニングを3つご紹介します。

◎片脚立ち

手すりなどにつかまって立ち、片脚を床につかない程度に上げます。左右1分ずつ、1日3セットを目安に行いましょう。

◎スクワット

脚を肩幅に広げて立ち、つま先はやや外向きにします。膝はつま先と同じ方向に向け、膝がつま先より前に出ないように、ゆっくりと腰を落とします。太ももが床と水平になったら、ゆっくりと元の姿勢に戻します。

スクワットができない場合は、椅子を使った立ち座り運動がおすすめ。その際、机に手をついても構いません。1セット5~6回、1日3セットが目安です。

◎その場ウォーキング

軽く腕を曲げて肘を後ろに引くことを意識し、その場で足踏みをします。太ももが床と平行になる高さまで、できる範囲で持ち上げましょう。背中が丸くならないように、30秒続けます。慣れてきたら時間を長くしたり、回数を増やしたりすると効果的です。

片脚立ちはバランス感覚が、スクワットは歩行に必要な下半身の筋力が鍛えられます。その場ウォーキングは骨をつくる骨芽細胞を刺激し、骨密度を高める効果が期待できます。

転倒しにくい歩き方は?靴選びも大事

外出の際には、歩き方にも気を付けましょう。年齢を重ねて筋力が低下すると、歩幅が狭くなり、すり足歩行になりがちです。「かかとで着地し、つま先で地面を蹴る」歩き方を意識しましょう。

また、靴が足に合っていないと、つまずきやすくなります。きちんと試着し、足踏みだけではなく、数メートル歩いてみて違和感がないものを選びましょう。かかとをしっかり包み込み、脱げにくく、靴底が滑りにくいものがおすすめです。

歩行に不安がある場合は、杖や補助具の活用も検討しましょう。転倒を恐れて外出しなくなると、骨や筋肉が弱り、ますます転倒のリスクが高くなってしまいます。自分の身体の状態に合わせて、無理なく安全に歩ける工夫をすることが大切です。

バランスの良い食事と「MBP」で骨を守る!

転倒は、どんなに注意していても起こりうる、身近なアクシデントです。万が一転倒しても、骨が丈夫なら骨折のリスクを減らすことができます。そのために重要なのが、バランスの良い食事と「MBP」です。

食事では、骨の材料となるカルシウムやたんぱく質だけでなく、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨の形成を促進するビタミンKも十分に摂る必要があります。これらの栄養素を含む、乳製品や大豆製品、魚介類、緑黄色野菜を積極的に食べましょう。

さらに骨を強くするには、「MBP」の摂取も役立ちます。「MBP」は牛乳にわずかに含まれる機能性たんぱく質で、骨代謝をアップして骨密度を高める効果が研究で確認されています。

高齢になると食が細くなり、必要な栄養素やエネルギーが不足しがち。活動量が減ると食欲も落ちるため、「しっかり動いて、しっかり食べる」生活を心掛けることが、転倒予防にもつながります。

管理栄養士・食育インストラクター 2000年からライター・編集者としてメディア制作に従事。業務を通じて食と健康に興味を持ち、2017年に管理栄養士資格を取得。現在は人間栄養学に基づいた健康記事の執筆活動を中心に、健康相談業務にも携わる。

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