【医師監修】骨粗しょう症の初期症状とは?見逃しやすいサインと更年期から始めたい予防習慣

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骨粗しょう症は、「高齢者の病気」というイメージを持っていませんか?
40~50代の方では、まだ「自分ごと」として捉えていないかもしれませんが、骨密度を意識し始めた頃には、骨粗しょう症が進行していることも少なくありません。
そこで今回は、骨粗しょう症の初期症状や見逃しやすいサインに注目し、今日からできる現実的な予防法をご紹介します。

骨粗しょう症は「静かに進む」病気。初期症状はほとんどない

骨粗しょう症は、骨量が減少して骨がもろくなる病気です。
若い世代の平均骨密度を100%として、「80%以上は正常」、「70~80%未満は骨量減少(予備軍)」、「70%以下は骨粗しょう症」と診断されますが、骨量が減少しただけでは痛みなどの自覚症状はほとんどありません。
そのため、「静かなる病気」と呼ばれ、骨折して初めて気づくケースもしばしば。「日常生活で困ることもないから大丈夫」と思っているうちに、いつの間にか進行しているのです。

国内の骨粗しょう症の患者数は1,590万人(男性410万人、女性1,180万人)と推定されています。年代別にみると、女性の有病率は50代で約13.2%、60代で22.8%、70代になると31.1%、80歳代では56.2%にのぼります。
女性は更年期以降、骨を守るホルモン(エストロゲン)が減少し、骨量が低下しやすくなるため、40~50代はまさに「骨粗しょう症の“入り口”に立つ時期」といえるでしょう。

見逃されやすい3つのサイン

骨粗しょう症の怖さは、骨折のようなイベントが起こるまで、自覚症状がほとんど現れない点にあります。しかし、多くの人が「年のせい」と思っている変化が、実は骨粗しょう症のサインである可能性も…。特に注意したいのは次の3つです。

1.身長の低下

若い頃と比べて、身長が2~3cm以上縮んでいる場合、骨粗しょう症の代表的な症状のひとつである「背骨の圧迫骨折」が疑われます。

2.姿勢の変化

背中や腰が丸くなってきた、姿勢を保つのがつらい、といった変化も注意が必要です。筋力の低下もありますが、背骨の圧迫骨折や変形の可能性があります。

3.動作時の痛み

重いものを持つ、立ち上がる、くしゃみをするなどの軽い動作で背中や腰が痛む場合も、背骨の損傷が関係しているかもしれません。

骨粗しょう症による圧迫骨折は、転倒などの明らかな原因がなく、はっきりとした痛みがないことも多いといわれています。身長や姿勢の変化は自覚しにくいため、気になるところがなくても、定期的に骨粗しょう症検診を受けるようにしましょう。

今日から始める「がんばらない」予防法

骨粗しょう症予防の基本は、「食事・運動・日光浴」の3つ。これを、毎日続けることが何より大切です。

1.骨を強くする食事

骨の材料となるカルシウムは、性別や年齢によって推奨量が異なりますが、目安として1日650mg程度を意識して摂取しましょう。牛乳ならコップ1杯(200ml)で220mgを補えます。骨ごと食べられる魚の缶詰や豆腐などの大豆製品もおすすめ。カルシウムと一緒にたんぱく質も摂れます。
さらに、カルシウムの吸収を助けるビタミンD(青魚、干したきのこ類)と、骨の形成に必要なビタミンK(納豆、ブロッコリー)を組み合わせると効果的です。
また、「MBP」という牛乳由来の成分も、骨粗しょう症予防に役立ちます。「MBP」は骨代謝を改善し、骨密度を高める機能が認められています。

2.骨に刺激を与える運動

骨は体重や運動によって負荷がかかることで強くなります。家事や日常動作の合間に、次のような運動を取り入れましょう。

  • かかとの上げ下げ(1日30~100回)
  • 片脚立ち(左右1分ずつ、1日3回)
  • ウォーキング(1日30分)

かかとの上げ下げは洗い物や煮炊きをしながら、片脚立ちはテレビを見ながらできますね。ウォーキングも通勤や買い物を兼ねれば、取り組みやすいのではないでしょうか。

3.適度な日光浴

カルシウムの吸収を良くするビタミンDは、日光を浴びることで体内でも合成されます。日焼けするほど浴びる必要はなく、夏の晴れた日なら顔と手のひらだけ15~30分程度、冬場は1時間程度の日光浴が目安とされています。

親世代をきっかけに、自分の骨も見直そう!

骨粗しょう症は加齢とともにリスクが高くなりますが、自分よりも親の骨折が心配な方も多いでしょう。40~50代は、ちょうど親世代の骨粗しょう症が進行する時期。親の通院や入院をきっかけに、骨粗しょう症を身近に感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、骨密度には遺伝的な影響が強く、親子間で似やすいことが分かっています。親が骨粗しょう症と診断されている場合、自分も注意が必要です。定期的に骨粗しょう症検診を受け、骨の状態を確認するようにしましょう。親と一緒に検診を受けるのも良いですね。

まとめ

骨粗しょう症は痛みがないまま進行するからこそ、検診で今の状態を把握することが重要。骨量は40~50代から減り始めるため、身長を測る、姿勢を意識する、食事や運動を少し見直す、といった小さなアクションを積み重ねていきましょう。

医療法人幸鷺会 森整形外科リハビリクリニック 院長 。 公益社団法人日本整形外科学会 整形外科専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
管理栄養士・食育インストラクター 2000年からライター・編集者としてメディア制作に従事。業務を通じて食と健康に興味を持ち、2017年に管理栄養士資格を取得。現在は人間栄養学に基づいた健康記事の執筆活動を中心に、健康相談業務にも携わる。

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