【医師監修】骨密度の「YAM(ヤム)値」とは?70%未満は要注意!判定基準と骨を強くする基本習慣

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健康診断や骨密度検査の結果で「YAM値」という言葉を目にしたものの、具体的にどのような意味なのか分からないと感じたことはありませんか?医療機関で説明を受けても、基準値や自分の状態がどの程度なのか、いまひとつイメージしにくいものです。

この記事では、YAM値の基本的な考え方や判定基準を整理するとともに、骨密度を保つために重要となる「骨(こつ)代謝(たいしゃ)」の視点や、その代謝に関わる成分について解説します。

骨密度の指標「YAM値」とは

YAM値とは、「若年成人平均値(Young Adult Mean)」のことで、若年の健康な成人の平均骨密度を100%としたときに、自分の骨密度がどの程度保たれているかを示す指標です。骨粗しょう症の診断基準として広く用いられており、骨の状態を把握するための基本的な目安となります。

骨密度は、20代~30代の成人期でピークを迎え、その後は加齢とともに徐々に低下していくことが知られています。そのため、このピーク時の平均値と比較することで、現在の骨の状態を把握しやすくなります。

骨密度検査では、「DXA法(デキサ法)」という方法が広く使われています。DXA法とは、X線を用いて骨密度を測定する方法で、主に腰椎や大腿骨近位部などの骨密度を評価することができます。測定結果はYAM値として示されることが一般的です。

数値で分かる骨密度の判定基準

脊椎せきつい圧迫骨折や大腿骨だいたいこつ近きん位部いぶ骨折のような骨こつ脆弱性ぜいじゃくせい骨折こっせつの既往がない方の場合、YAM値は大きく3段階で判定されます。

・80%以上:正常範囲です。現在の骨密度は維持されています。

・70〜80%:骨量が減少し骨密度が低下し始めている段階です。注意が必要です。

・70%未満:骨粗しょう症と診断され、骨折のリスクが高まっている状態と言えます。YAM値が70%未満の状態では、ちょっとした転倒でも骨折につながる可能性が高くなります。

ただし、骨の状態や骨折のリスクは、YAM値などの数値だけで決まるわけではありません。YAM値が80%以上であっても、骨脆弱性骨折をした場合には骨粗しょう症と診断され、治療の対象となります。

また、押さえておきたいのは、骨密度は日頃の生活習慣の影響を受けるという点です。過度なダイエットや運動不足、喫煙、過度の飲酒などは、骨密度の低下につながる可能性があります。こうした要因が積み重なることで、骨の状態が悪化してしまうこともあるのです。

骨密度を支える栄養と骨代謝

骨の健康を支えるうえで重要なのが、日々の食生活です。骨の主な材料はカルシウムです。骨密度を維持するためには、カルシウムを十分に摂取することが基本となります。また、ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、ビタミンKは骨への取り込みを支えます。これらの栄養素が組み合わさることで、骨の健康は維持されているのです。

ただし、骨密度が低下する理由は、単にカルシウム不足だけではありません。骨の中では「骨代謝」と呼ばれる骨の生まれ変わりのサイクルが繰り返されており、この代謝のバランスの乱れが大きく関わっています。

骨代謝のバランスを整える「MBP」の役割

骨は、古い骨を壊す働き(骨吸収)と、新しい骨をつくる働き(骨形成)を繰り返しています。このサイクルによって、骨の強さは保たれています。しかし、加齢やホルモンバランスの変化によって、このバランスが崩れることがあります。特に閉経期の女性は、エストロゲンの低下により骨を壊す働きが強くなり、骨密度が低下しやすくなることが知られています。

つまり、骨密度を維持するためには、骨の材料を補うだけでなく、この骨代謝のバランスを整えることが重要なのです。そのバランスに働きかける成分として、「MBP」が知られています。

「MBP」は、骨を壊す働きとつくる働きの両方に作用するたんぱく質です。骨を壊す働きを抑え、骨からカルシウムなどが過剰に溶け出すのを防ぐ一方で、骨をつくる働きを支え、新しい骨の形成を助けます。骨の新陳代謝の仕組みについては、「MBP」の解説ページで詳しく確認できます。

「MBP」とは

更年期の健康な女性を対象とした研究では、「MBP」の摂取による骨密度や骨の状態との関連が報告されています。

さらに、「MBP」の摂取によって、高齢女性の骨量に関する指標や、女性長距離ランナーにおける骨の状態に関する指標に変化がみられたとの報告もあります。対象や条件は異なりますが、骨密度以外の側面にも影響が及ぶ可能性があると言えるのではないでしょうか。カルシウムやビタミンD、ビタミンKとあわせて取り入れることで、骨の健康を多面的に支えることができます。

骨代謝に着目することが、骨密度を守る第一歩

YAM値は、自分の骨密度がどの程度保たれているのかを客観的に把握するための指標です。骨密度の低下は単にカルシウム不足だけで起こるものではなく、骨をつくる働きと壊す働きのバランスの乱れが大きく関わっています。

骨の状態を考えるうえでは、この骨代謝のバランスに着目することが、重要です。そのなかで、「MBP」のように骨代謝に関与する成分は、新たなアプローチとして注目されています。

日々の生活習慣を見直すとともに、骨代謝に関わる成分にも目を向けながら、骨の健康を意識していきましょう。

医療法人幸鷺会 森整形外科リハビリクリニック 院長 。 公益社団法人日本整形外科学会 整形外科専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
医療系広告代理店勤務を経て、某医療雑誌の編集長。専門医向けの国際学会の記事から一般向けの病気解説まで幅広く対応。その傍ら、クリニックのHPのリニューアルにも従事し、最近ではメダリストのインタビューや自動ドア関連コンテンツなど医療以外の分野も様々手がける。

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