若い頃は何時間でもイスに座って作業できたのに、最近は30分も座っていると腰や肩が痛くなっていませんか?
もしかしたら、それはイスが悪いわけではなく、自分の姿勢が知らず知らずのうちに悪くなっていて、日常的に腰や肩に負担をかけているせいかもしれません。
姿勢の悪さは人から指摘されない限り、自分ではなかなか気づきにくいものです。放っておくと、思わぬ病気や事故につながることもあります。
姿勢の悪さは筋肉の低下が原因
パソコンやスマホを見つめることが多い現代人。
熱中してしまうと長時間前かがみになって画面を見つめてしまうことがあると思います。
前かがみの姿勢を長時間続けることは、若い人でも腰痛や肩こりの原因となります。
年齢を重ねると、自分では気づかぬうちに姿勢が悪くなり、日常的に前かがみになってしまっていることがあります。
これは若いときに比べて、背中や腹部などの体幹を支える筋肉が低下していることが原因といわれています。
姿勢が悪いと、日常的に肩や腰に負担をかけてしまい肩こりや腰痛を起こしやすいばかりか、立ち上がるたびに痛みを感じるなど日常生活に支障をきたすほど悪化するケースもあるようです。
特に女性に多い骨密度低下による姿勢の悪さ
筋力の低下による姿勢の悪化より、さらに深刻なのが、骨密度の低下による脊椎の変形です。
骨密度は性別を問わず年齢とともに低下しますが、特に閉経後は女性ホルモンの減少により、骨密度が下がりやすいといわれています。
その結果、脊椎が変形したり、ひどい場合には脊椎圧迫骨折により背中が曲がってしまうこともあります。
見た目が悪いだけではない、意外な影響
姿勢の悪さは見た目の問題にとどまりません。
腰が曲がり、前のめりになることで視界が悪くなり、さらに足も上がりづらくなるため、ちょっとした段差でつまずきやすくなってしまいます。
つまずくことは怪我の原因となるだけでなく、骨密度が低下している場合は骨折につながることも。
また、内臓が圧迫され食欲不振や便秘になったり、肺が圧迫され呼吸が浅くなるなど、思わぬ体調不良につながる恐れもあります。
姿勢が悪いことは、実年齢より老けてみえてしまうだけでなく、様々な悪影響にもつながるのです。
運動とカルシウムを毎日取り入れましょう
姿勢をよくするために、インナーマッスルと呼ばれる身体の中心の筋肉を鍛えることが効果的といわれています。
まずは背筋を伸ばすなど正しい姿勢を心掛けることでも、インナーマッスルは鍛えることができます。
また正しい姿勢でウォーキングをすることも、正しい姿勢を維持する筋肉をつけることに効果的。
まずは毎日の生活の中に運動を取り入れることから始めてみましょう。
屋外でウォーキングや階段の昇降などを行うことは、体幹を鍛えながら骨に適度な刺激を与え、日光を浴びることでカルシウムの吸収に必要なビタミンDを体内で作りだすこともできるためおすすめです。
また、骨の健康を維持するため、普段の食生活でカルシウムを摂取することを心掛けましょう。
普段から牛乳・乳製品、小松菜などの野菜や小魚、大豆製品などを食事に取り入れる工夫をすると良いでしょう。
しかし摂ったカルシウムはおよそ7割が体外に排出されてしまうため、毎日適量を摂取することが大切です。
ときには食事を作ることが億劫に感じるときもあるかもしれません。
そんなときでも、牛乳や乳製品は、調理せずにそのまま飲んだり食べたり出来るものが多く、手軽に取り入れられるのでおすすめです。
まとめ
正しい姿勢とバランスの良い食生活、適度な運動を心掛けることは、筋力や骨の鍛えることにつながります。
一方、骨密度は低下しても自覚症状が乏しいといわれています。
そのため、特に閉経後の女性は骨密度を定期的に測るなど、自分の骨について少し気にかけてみましょう。
結果的に、病気やケガをしにくい生活習慣につながるのではないでしょうか。