妊娠や授乳期間中は、母体の健康にも特に気を使う時期です。
妊娠・出産時には高血圧や糖尿病を発症するリスクがあり、このことを知っている人は多いかもしれません。
では、産後には「妊娠後骨粗しょう症」を発症するリスクが隠されていることをご存知でしょうか?
産後は赤ちゃんのお世話に忙しい時期です。この時期に元気に過ごすために、妊活中の今だからできることに注目してみましょう。
産後は腰痛に悩まされるママが多い
妊娠中は運動に取り組むのが難しく、お腹が大きくなると背中を反らすような姿勢になりがちです。
すると腹筋が緩んでしまい、腰痛の原因になることがあります。
また、産後は授乳をしたり抱っこをしたり、おむつ替えをしたりと腰に負担がかかる動作が多いですよね。
こうしたことから、産後は腰痛に悩まされるママが多くいます。
腰痛がひどいと思っていたら骨折していたということも!
腰痛は産後ママのよくある悩みです。しかし、みんなと同じ腰痛だと思っていたら骨折していた!ということもあるので注意しなければいけません。
赤ちゃんのお世話で忙しく自身のことは後回しになる時期ですが、腰痛がひどいなら早めに整形外科を受診した方が安心です。
なぜなら、知らない間に骨折する「骨粗しょう症性脊椎圧迫骨折」かもしれないからです。
産後は骨密度が減少するので骨粗しょう症に注意
妊娠中は胎児にカルシウムを与えるために、母体のカルシウム吸収率がアップします。
ホルモンの影響により骨密度も上がるので、妊娠中にカルシウムの摂取量をむやみに増やす必要はないといわれています。
しかし、産後はこの働きがなくなってしまいます。
それなのに授乳で赤ちゃんにカルシウムを与えなくてはいけません。
骨は新しい骨をつくり古い骨をこわす新陳代謝も活発におこなわれているのですが、授乳中はホルモンの影響で古い骨をこわす作用が活発になり、新しい骨をつくるサイクルが追いつかなくなってしまいます。
これらの影響から産後は骨密度が一時的に減少してしまうため、「産後骨粗しょう症」にならないよう注意しなければいけません。
妊娠前から骨の健康を心がけることが大切
産後は骨密度が一時的に減少してしまいますが、妊娠前の骨密度が正常であれば気にする必要はありません。
「産後骨粗しょう症」にならないためには、妊娠前の骨密度が重要です。
骨密度を高めるには、牛乳やヨーグルト、チーズなどからのカルシウムの摂取が欠かせません。
カルシウムが体内に吸収され定着しやすくするために、きのこ類や鮭に含まれるビタミンDも積極的に摂りたいですし、納豆やパセリに含まれるビタミンKも骨の形成に必要なので忘れてはいけません。
そして、骨に適度な負荷のかかる運動も大切です。階段を使ったりウォーキングをしたり、生活に無理のない範囲で運動も取り入れましょう。
まとめ
骨折してしまうと抱っこができない、おむつ替えが大変、授乳をあきらめなければいけない、などということが起こってしまいます。
育児が思うようにできないということは避けたいですよね。
そのために、産後は骨密度が一時的に減少することを知ったうえで、妊活中の今のうちに骨のケアを心がけましょう。